民進・岡田克也代表「近い将来、政権を担える政党にする」
民進党の岡田克也代表は11日、東京の外国特派員協会で会見し、近い将来に民進党を政権政党にするとの意欲を見せた。アベノミクスについては、すべてを否定するわけではないとしながら、「80%前後の国民が景気回復を実感していない」と批判。夏の参議院選に向けては、野党間の候補者調整が進みつつあるとし、「国民の良識が最終的に判断を下す」と期待感を示した。 【中継録画】民進党・岡田克也代表が会見
アベノミクスの失敗は「3本目の矢の不徹底」
民進党は3月27日、民主党と維新の党が合流して誕生した。岡田代表は、「共産党を除いて野党は統一されたことになる。野党同士が候補者を立てて同士討ちになり、自民党を利することは基本的になくなる。この党で安倍政権の暴走をとめ、近い将来、政権を担える政党にすることが党首である私の責任」と述べた。 安倍政権の経済政策であるアベノミクスについては、「当初、国民は期待感を持ってこれを迎えたが、3年半が経って結論は出ている。80%前後の国民が景気回復を実感していない」と批判。アベノミクスのうち、3本目の矢に当たる『民間投資を喚起する成長戦略』については賛意を示したが、「アベノミクスの失敗は3本目の矢を徹底できず、日本の生産性が高まらなかったことにある。3本目の矢がサプライ(供給)サイドの改革だとすれば、デマンド(需要)サイドの改革も必要」として、格差是正に向けた施策の必要性を説いた。 安倍政権が打ち出す「一億総活躍社会」については「我々と似たようなことを言い出した」と指摘。「同一労働同一賃金はその典型で、1年前は反対していたはず。子育て支援の充実も我々が与党時代に推進してきた。いずれにせよ、重要なのは本当にやるかどうかだ」と述べた。 3月に施行された安保関連法に関して、岡田代表は「集団的自衛権を認めた法案は憲法違反であり、白紙撤回すべきだ。歴代の自民党政権の首相が憲法違反と言ってきたが、それを安倍内閣が変えてしまった」とあらためて主張。また、「安倍首相は憲法9条の改正にも言及している。自民党の改憲草案では、限定なき集団的自衛権の行使を認めている。国連憲章では認められているが、日本は70年前の戦争を反省し、海外の紛争に武力介入しないと誓ったはず。この考えを変えるのは憲法の精神を損なうことだ」と改憲への動きをけん制した。 7月に予定される参議院選について、岡田代表は「野党間の候補者の調整も進んでいる。全国で1人だけ当選する選挙区は32あるが、なるべく野党の候補者が複数出ないようにしたいと考えている」とし、「選挙はやってみないとわからないが、国民の良識が最終的に判断を下すと期待している」と述べた。