「8130yd=PGAツアー最長」は“本当”か 過去には日本人が3位に入った高地コース
◇米国男子プレーオフ第2戦◇BMW選手権 事前(21日)◇キャッスルパインズGC(コロラド州)◇8130yd(パー72) 【画像】松山英樹の米ツアー10勝目に貢献 「クラフツマンパター」をじっくりと プレーオフシリーズ第2戦の会場、キャッスルパインズGCはコロラド州デンバーの南に位置する。ジャック・ニクラスの設計で1981年に開場した18ホールでは1986年から2006年までポイント制(ステーブルフォード方式)で争う「ジ・インターナショナル」を開催。最後の大会では丸山大輔が3位に入った。 総距離が7619ydだった当時から改修を重ね、ことしはPGAツアー史上最長の8130ydにセットアップされた。コース内で最も高い位置にあるクラブハウス周辺のエリアは海抜1900mと高地にある。空気抵抗が少ないため、他の多くのゴルフ場でプレーするよりもショットが遠くに飛びやすい。ツアーの試算では飛距離の伸び率を考慮すると、海抜0mでの7350ydに相当するという。662ydの1番(パー5)も計算上は海抜0mでは約600ydで、さらに100フィート(約33yd)の打ち下ろしがある。
そうは言っても選手、キャディは距離計算がまず大変だ。コース内でも約108ydの高低差があり、ホールによって飛距離の伸び率も変わる。ロリー・マキロイ(北アイルランド)は弾道測定器の設定を海抜で約1900mにしたところ、普段195ydを打つ7Iで222yd、平均319ydの1Wショットは375ydをたたき出したという。 松山英樹がバッグを預ける早藤将太キャディは「打ち上げと、打ち下ろしでも違います。打つクラブによっても弾道の高さが違うので(割合が)変わる」と説明する。「短いクラブは10%、ミドルアイアンでは13%くらい伸びるとみる時もあります。もっと長いクラブはそこから逆に落ちる。8%、10%とか…」。一筋縄でいかないから厄介だ。
世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーは「(下部)コーンフェリーツアーで確か2回、高地での試合があった」と当時の経験を生かすつもり。デンバー出身のウィンダム・クラークは地元コースでの戦いを前にしても「グリーンを10yd、15ydとオーバーするようなショットが出たとしても、それは僕たちが下手だからじゃないんだ」と笑い、「8Iくらいの距離コントロールがしっかりできるかが一番のカギになる」と勝負所を口にした。 選手たちは事前練習で自分たちの弾道測定器が画面上ではじき出す数値とにらめっこ。2014年に近隣のチェリーヒルズCCでの本大会を制したビリー・ホーシェルは「優勝した僕には有利だと思うし、夏場は10年ほど高地のアスペン(コロラド州)で過ごしてきた。でも最近はトラックマンやGCクワッドのおかげで飛距離を合わせやすくなったから、昔より10年前ほどは有利ではないかな」と話した。(コロラド州キャッスルロック/桂川洋一)