藤岡事件で虐殺の17人慰霊 「教訓、正しく後世に」
1923年の関東大震災後、流言を信じた市民が現在の群馬県藤岡市で朝鮮人17人を虐殺した「藤岡事件」の慰霊祭が9日、現場に隣接する成道寺で営まれた。事件は5日で発生から100年。市の塚本英夫企画部長は「事件を教訓として正しく認識し、後世に伝えていかなければならない」とあいさつした。 遺族ら約140人が参列した。祖父の南成奎さん=当時(38)=を亡くした韓国在住の権在益さん(66)は2回目の列席。犠牲者全員の名前を読み上げ、本堂や慰霊碑前で焼香した。「人間の尊厳がいかに大切なものかを改めて感じた。祖父に対する自分なりの供養のため、真相究明の活動をしていく」と力を込めた。