【独自解説】「困窮型」「便乗型」「ストレス型」シフトする“被災地犯罪” 能登半島地震でも悪質な手口が多発…減災復興の専門家が指摘する、デマが広がってしまう事情
「今能登は『便乗型』や『ストレス型』」シフトする被災地犯罪の実態
被災地犯罪は大きく3つに分類されるといいます。最初の段階が「困窮型犯罪」です。これは被災者や被災者の関係者による生き延びるための犯罪です。食料などの万引き・窃盗・略奪、乗り物やガソリンの盗難、違法ながれき処理などがあたります。そして「便乗型犯罪」、これは侵入盗、義援金や支援金の詐欺・横領・窃盗など、リフォーム詐欺、物価つり上げなどです。さらに「ストレス型犯罪」で、暴力事件、薬物依存・ギャンブル依存、性犯罪などの増加が挙げられます。松川准教授は「今(能登)は困窮型犯罪の段階は終わり、便乗型やストレス型犯罪にシフトしている」と言います。 Q.被災地での犯罪はシフトするものなのですか? (松川准教授) 「『困窮型犯罪』は生き延びるための物資がないという状態を何とか回避するための止むを得ない犯罪です。今回の能登の場合は道路事情の関係でその期間が長かったのですが、物資が届き始めると『困窮型犯罪』は減って行きます。そこから、被災者支援のボランティアなどが入って来ると、被災地内外の移動が増えます。そうなると『便乗型犯罪』が増えます。そして、『先が見言えない避難所生活がいつまで続くのだろう?この先自分たちの住まいはどうなるのだろう?』と見通しがつかないとなると、どうしていいか分からなくなってストレスがたまります。そうなると避難所でのトラブルや依存症、もともとそういう傾向がある人が起こすDVなどが増えていきます」 Q.復旧の目途がたつと変わるものでしょうか? (松川准教授) 「そうですね。その目途を示せるように各自治体の人たちも頑張っているはずです」
「相談することで、同じ目に合う人が救われる」一人で悩まず相談を
被災地犯罪への対策です。過去の被災地での事例を挙げて、「周囲の人にも注意喚起をしてください!何かあれば近くの消費生活センターや消費者ホットライン188ヘ連絡をしてください」としています。 Q. 一人で即断即決せず、用心するのは大事ですよね? (松川准教授) 「相談窓口や周りの信頼できる人に助けを求めるということが非常に大事です。特に奥能登の人たちは奥ゆかしくて我慢強いので、自分の困りごとを過小評価してしまい『こんなことで相談するのは申し訳ないな』とか『わがままなんじゃないかな』などと感じてしまっているようです。しかし、決してそういうことはないので自分が助かるために、生活を立て直していくために周りに相談するべきです。相談することで『こんなことが起こっているんだ』ということが行政や他の公的機関に伝わって、同じような目に合う人が救われます。一人で悩まないで周りに相談できるようになればと思っています」 (「情報ライブミヤネ屋」2024年1月17日放送)
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