母の余命を知った少年の“奇行”…その理由に号泣!!「声を上げて泣いた」読めば心が震える名作【作者に聞く】
これは郵便配達員が実際に体験した実話である。ある一軒家には配達に行くたびに配達員を困らせる少年がいた。その日も木の上に仕掛けてあったバケツの水を頭から浴びせられ、「コラ坊主」と追いかけるとあらかじめ仕掛けられていたであろう罠へ誘導されてしまい…。散々な目に遭わされる配達員だったが、記憶にあるその子は、そんなことをするような子ではなく…?お利口で行儀のよい子どもが急に変わった理由とは…!? 【漫画】本編を読む びしょ濡れの配達員のもとに、少年の祖母が慌ててタオルをもって現れ、「母親が長くないと知って荒れてるのです」と話し出した。母の死が近いことを知ってからの少年は、母親が寝ている部屋に近寄りもしなくなったのだという。祖母は、現実を受け止めきれず荒れていると見ているようだが、配達員には別の心当たりがあった!「まさか…でも、まさか…!?」と配達員は心の中でつぶやく。その心当たりとは一体…!? 本作を読んだ読者からは「やばい…目の前が霞む…」「声を上げて泣いてしまった」という声が続々と届いた。大切な人の死、身近な人の死、どんなにがんばろうと避けられない未来…この世の中にはどうしようもないことがあり、それと対峙するのは大人でもつらくてきつい。それが小さな子どもで、ましてや母親の死と向き合わねばならないのならなおさらだ。この少年が急に悪さばかりをするようになった本当の理由を知り、涙が止まらない。コメント欄には、「3カ月前に母が逝きました。この作品の凄さに胸を打たれます」という声まで届いた。読んだ人たちの心を震わせた本作。作者で現役郵便局員の送達ねこ(@jinjanosandou)さんに話を伺ってみた。 ――この話は、送達ねこさんの同僚の体験談なんですよね? はい。今は退職をされていますが、N局で長く配達員を務められた村井さんの話となります。死の気配を感じる家で、少年になぜか悪戯を繰り返される配達員が、その少年と向き合うために奮闘した話です。 ――送達ねこさんさんにも、この少年と同様の経験があるとか…? 自分は決して霊感が強いわけではないんですが、亡くなった人におそらく触れられたと思う経験があります。昔ある故人の部屋に数人でいたときに、誰も触れてないのに肩を衣服の上から誰かの指がしきりに擦る感覚があって、そのときに故人のお母さんが「たまに帰ってくる。裏口が開いたりする」と教えてくれました。 ――送達ねこさんに会いにきたことを伝えていたんですね。 こういった話は「気のせいだったんじゃない?」って考え方もできるかと思います。どっちが本当かはわからない。ただ、もしも故人が、あちらから何らかのいろいろをかいくぐって、本当に会いに来てくれてたのだとしたら、気のせいにしてしまうのは、むごい気がするんですよね。 「郵便屋が集めた奇談」は、送達ねこさんのもとに届いた、同僚の配達員たちが体験した不思議な話を漫画化している。 読者からは「いろいろなところに配達に行く郵便屋さんならではのお話!!」「こういう不思議で怖い話って好き」「けっこう背筋がゾクッとしたけど、めちゃくちゃおもしろい…!」と好評だ。日本のどこかの町でひっそりと起こっている“怪異”を覗き見してみよう。 取材協力:送達ねこ(@jinjanosandou)