U18世代屈指の選手となった双子の直接対決は、姉の桜花学園に軍配 | 高校バスケ ウインターカップ2024
組み合わせ抽選でインターハイでベスト8に進出した聖和学園と対戦するとわかった時、桜花学園の阿部心愛は「最初はマジで本当にビックリしたんですけど、もうやるしかない」という心境になった。それは、聖和学園の大黒柱へと成長していた双子の妹である友愛に対し、自分がマッチアップすると決断した瞬間でもあった。
1回戦屈指の好カードは、1Qから2Q序盤まで聖和学園のペースで進行。内田理香と齋藤凌花の3Pショットが決まるなど、狙い通りのオフェンスが展開できており、最大で6点のリードを奪った。
しかし、桜花学園は1Qで2つとファウルトラブルに陥りながらも、白石弥桜が徐々にインサイドで存在感を発揮。ベンチから出てきたイシボ・ディバインも持ち味であるフィジカルの強さでチームに貢献し、試合の経過とともに聖和学園の体力を削っていく。2Q最後の5分10秒間で聖和学園を無得点に抑えた桜花学園は、3Qで一気に引き離して77対46という予想外の大差で1回戦を突破した。
勝負の行方が決まってベンチに下がるまで、心愛は37分29秒間、友愛をスローダウンさせるためにハードに戦い続けた。友愛が9本のターンオーバーを記録したのは、心愛を筆頭に桜花学園がチームとして素晴らしいディフェンスをした成果。友愛のマッチアップを「結構抑えられたかなと思います。自分的にも頑張って……。ビデオとか見て試合前に研究していたので、抑えられてよかったかなと思います」と語った心愛は20点、13リバウンド、5アシスト、3スティール、2ブロックショットを記録。友愛も19点、13リバウンド、3スティールと、姉妹が大黒柱としてそれぞれのチームを牽引したことは間違いない。
残念な結果に終わったが、聖和学園の小野裕コーチは友愛を「U17ワールドカップに出場した後、プレーも精神面もすごくよくなった」と称賛。友愛は試合後、「トップリーグで1回やらせてもらったんですけど、お互いに成長してこの1回戦で心愛と戦えてよかったという気持はあります。ただ、やっぱり自分の努力がまだまだ足りなかったというところで、勝ちきれなかった悔しさがあります」と振り返った。