ギャラは地上波の「5倍」 撮影期間は「倍以上」 Netflix躍進で「テレビドラマ界」に上がる悲鳴
金でテレビ界は勝てない
2月に配信されると世界的ヒットとなった「忍びの家 House of Ninjas」には賀来賢人(35)、江口洋介(56)、高良健吾(36)、木村多江(53)、柄本時生(34)、吉岡里帆(31)、山田孝之(40)、宮本信子(79)らが出演。やはりテレビドラマではこの布陣を敷けないはずだ。 Netflixは今後も話題作、大作の配信を控えている。まず9月19日には1980年の女子プロレス界を描いた「極悪女王」を配信開始する。主人公のダンプ松本役はゆりやんレトリィバァ(33)。ライオネス飛鳥役は剛力彩芽(32)が演じる。東出昌大(36)との不倫問題で一時は世間から猛批判を浴びた唐田えりか(26)が長与千種に扮する。 「新幹線大爆破」もある。故・高倉健さんが主演した名作映画のリメイクだ。健さんから寵愛された草なぎ剛(50)が主演し、「シン・ゴジラ」の樋口真嗣監督(58)がメガホンを執る。美術費などの問題から、これもテレビドラマ化は不可能だろう。配信時期は今後決まる。 まだある。第1作の「ゴジラ」(1954年)を撮り、無冠の巨匠と呼ばれた本多猪四郎監督による隠れた名作「ガス人間第一号」(1960年)をリメイクする。配信時期の発表はこれから。小栗旬(41)と蒼井優(39)が出演する。 この2人の顔合わせも今のテレビドラマでは難しいのではないか。ギャラの問題より、制作環境が問われるからだ。蒼井は近年、テレビドラマの仕事を減らしている。 Netflixは撮影期間がテレビドラマの2倍以上はある。1クール(3カ月)放送するテレビドラマは撮影期間も約3カ月だが、Netflixのドラマは10回分を半年以上かけて撮る。時間がたっぷりあるから、俳優は監督と議論を行いながら撮影に臨める。俳優側には魅力だ。 Netflixが2022年に配信し、満島ひかり(38)と佐藤健(35)が主演した「First Love 初恋」(全9話)の場合、撮影に約1年も費やされた。テレビドラマの約4倍の時間だ。その分、高く評価された。