國學院久我山GK大村太郎、遅れてきた守護神がPK戦で殊勲の2連続ストップ!
帝京との準決勝、國學院久我山は遅れてきた守護神がチームを救った。GK大村太郎(3年)は「120分みんなでやって、最後たまたまPKになって、キーパーに来たご褒美的な感じで止められて良かったです」と控えめに振り返った。 【フォトギャラリー】國學院久我山 vs 帝京 決勝は序盤から押し込まれる展開。その中で大村は「ハイボールを強気で行く」ことと「1対1」を徹底し、帝京の強力アタックを防ぎ続けていた。 試合は後半31分に國學院久我山がDF普久原陽平(3年)主将のオーバーラップからのゴールで先制したものの、直後の35分にセットプレーの逆襲から失点。延長戦でも決着がつかず、勝負の行方はPK戦にもつれ込んだ。 「正直、敵の身体の向きやボールの置くとか、そういうのは見ていなくて、自分の直感を信じて飛ぶ派」だという直感派は1本目を右に飛んで止めると、2本目は左に飛んでセーブして2連続ストップ。「(2本目は)本当に読みが綺麗に当たって、ちょっと言葉にするのが難しいんですけど、蹴る瞬間に「これ、こっちだ!」っていう感覚があった」。3本目は決められたが、國學院久我山はキッカー4人が全員決めて注目の対決を制した。 もともと今季はGK太田陽彩(2年)がレギュラーとして出場していたが、太田の怪我に伴い、9月30日のプリンスリーグ関東2部・水戸ホーリーホックユース戦からゴールマウスに。「陽彩がずっと出ている時もいつも出られる準備はしていたし、そういう立場でプレーすることが3年間多かったので、そこは試合に出たいっていう気持ちを出し過ぎず、冷静に、チームのために何ができるかっていうところで貢献してきた結果、たまたま陽彩が怪我して出番が回ってきたので、そこはもういままで通り、チームのためにできることは何かを考えて、やり続けている感じです」 これで全国まであと1勝に迫った。「まだ全国の切符を取れていないっていう状態は変わっていない。集中してこの1週間また高めて試合に臨めればなと思います。絶対に優勝して全国に行って、去年を越えて頑張りたい」。決勝も「チームのために何ができるか」を考えながら、遅れてきた守護神がチームを助ける。 (文・写真=石黒登)