千葉ジェッツの池内GM「私にとっても念願」渡邊雄太との入団交渉で“メンタルケア”強調
8月27日、渡邊雄太の千葉ジェッツ入団会見が行われ、池内勇太ゼネラルマネージャー(GM)が獲得交渉のなかで“メンタルケア”に重きをおいて向き合っていたことを明かした。 パリオリンピック直前に舞い込んできた“千葉J入団”の一報から約1カ月半、日本代表としての激闘を終えた渡邊はスーツ姿で壇上に上がり、クラブ関係者らへの謝辞とともに「どのチームよりも僕に対して熱量をくださった」と、移籍先を千葉Jに決断した理由を説明。そのなかで、「(メンタルの不調は)センシティブな問題なので、話しにくいのが普通だと思いますけど、そこを全力でサポートしたい、バスケットを十分楽しめる環境を作っていきたいと強調して言ってくださったたのが千葉Jだけだった」とも話した。 会見に同席した池内GMは、「渡邊雄太選手が千葉Jに加入するというのは、私にとっても念願といいますか、毎年のようにエージェントを通じて彼と話をさせていただいていた」と率直な思いを明かしつつ、交渉するにあたり、渡邊が昨シーズン後半から直面していた“メンタル面の不調”と向き合う姿勢も示していたという。 「やはりアメリカに挑戦する中で素晴らしい成績を残しながらも、どちらかというと大変な思いだったり、苦しい思いがあったんだろうなと思っています。これはGMとしてというよりかは、いちバスケットボールに関わる者として、楽しく日本のバスケット界を盛り上げてほしい、バスケットに集中してほしい、ストレスなくやってもらいたいという思いが強かったです。メンタル的な部分であったり、葛藤があって(帰国を)決断した中で、彼のサポートをしっかりして、メンタル的なところからすべてバスケットに打ち込める環境を整えて、日本バスケを全体を盛り上げていってほしいという思いを込めて話をさせていただきました」 池内GMは渡邊との交渉でプレゼンした内容の詳細こそ明かさなかったが、「うちの選手も含めてメンタルで苦労しているスポーツ選手を見てきた。これだけアメリカで大変なサバイバルをやっているなかで、プレーできなくなってしまったということは、相当なダメージを受けているんだろうなと思っていたので。(渡邊と)お話をするうえで専門家の方に話をきいたり、これから研修もしたりしていくんですけど、そういったところをトータルコーディネートして、『大好きなバスケットを何のストレスもなく打ち込めるような環境を整えていくよ』、『一緒に頑張ろう!』というような話をした記憶があります」と、やり取りを振り返った。 すでに渡邊はチーム練習に参加しているようで、「千葉Jの練習着を着ているのがまだまだ信じられないような気持ちではあるのですが、この会見を経てやっと実感が湧いて、うちのメンバーたちと千葉Jのユニフォームを着て優勝を目指せるシーズンが始まるんだなと感じております」と池内GM。史上2人目の日本人NBAプレーヤーを獲得し、新本拠地のLaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ 東京ベイ)で開幕を迎える節目のシーズンは、10月5日に開幕する。
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