アパレル業界“シロウト”3人で年商5億円 「クヌースマーフ」常識知らずの突破力
元芸人という、経歴の異色さで言えば一番の中井CEO。ブランド運営全般と生産管理や品質管理などのバックオフィス業務を担う。コロナ禍で外部とのコミュニケーションがままならない中では、苦労も多かった。「初期の頃はサンプル商品が依頼と違う生地に変わっていたり、 倉庫会社のミスで、1つのご注文に対して二重発送をしてしまったり……」。さまざまなトラブルに見舞われながら、「本気でお笑いで食べていく」ことを目指した胆力で、縁の下の力持ちをこなしてきた。
「一人一人に得意分野があって、それぞれが最後の砦という自覚がある。僕らには業界の常識がないから、“怖い”も分からないし、ただがむしゃらにやっていくだけ」。
現在はTOKYO BASEの「ステュディオス(STUDIOUS)」の一部店舗でも卸販売しているが、今後はリアルでの接点を積極的に増やす。直近では23年11月、福岡天神地区のビルのワンフロアを借り、ブランド2周年のポップアップストアを実施。1100人超を集客し、売り上げも予算を大きく超えた。2月末には阪急うめだ本店でもポップアップストアを開催した。年内には名古屋、九州の商業施設でも計画する。2~3年内には「週末営業やギャラリー形式など、既存の店舗のあり方にとらわれない形」での実店舗出店を目指す。