更年期の寝汗が気になるときは「ホタテときのこのホイル焼き」を!【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑥】
更年期症状のひとつとして、寝汗に悩んでいる人も少なくない。そんな人はどんなものを食べたらいいのだろうか? おいしく改善する方法を、薬膳料理研究家の谷口ももよさんに提案してもらった。
潤いを補い熱を鎮めるホタテに、きのこやレモンの香りを添えて
更年期症状の悩みで多いのが「寝汗」だ。寝ているときに尋常ではない汗が出て、朝起きるとパジャマがぐっしょり、枕やシーツまで濡れているという人もいるほどだ。発汗量はそれほどでなくても、寝汗のために何度も目が覚め、寝不足で慢性的な疲労を抱えている人も少なくない。 「東洋医学では、寝汗は『水』や『血』が不足して、熱を冷ましたり、潤すものが不足して、体に熱がこもっている状態です。寝汗のことを『盗汗(とうかん)』と言うように、まさに寝ている間に水分と気が盗まれて、体はカラカラに乾燥してしまいます。 こんなときは、体に潤いを取り戻し、熱を冷ます食材をとることが大切です。 おすすめは海の食材です。なかでもホタテは栄養価が高く、肝と腎の働きを高めて、体に潤いを与え、乾燥やほてりを鎮めてくれる優秀食材。 これに、生命エネルギーである『気』を補い、免疫力を高めてくれるきのこ類のしめじやえのき、爽やかな香りでストレスや疲労を軽減してくれるレモンを合わせました。 今回はこれらの材料の旨味と香りを閉じ込めるためにホイル焼きに。バターにも体を潤す作用があるので、たっぷり使います。あれば、クコの実をプラスしてください。クコの実も潤いを補う効果が高く、滋養強壮や老化防止に役立つので、常備しておきたい食材です」(谷口さん)
【薬膳ポイント】 ●ホタテ 寝汗で失った水分を補い、肝と腎の働きを高めてくれるので、疲労回復やアンチエイジングの効果がある。ほかに、のぼせやめまい、視力の低下、頻尿の改善に。また消化吸収を高めてくれるので、食欲不振や消化不良の改善にもおすすめだ。 ◆ホタテときのこのホイル焼き(材料2人分) ホタテ6~8個は食べやすい大きさに切り、しめじとえのき適量は小房に分ける。 広げたアルミホイル2枚にバター少々ずつを塗り、そこにホタテ、しめじ、えのき、バター大さじ1、オリーブオイル大さじ1/2、塩・こしょう少々、しょうゆ小さじ1を半量ずつそれぞれのアルミホイルに盛る。 レモンスライス1枚、クコの実1個ずつをのせる。アルミホイルを閉じて、魚焼きグリルかトースターで12分ほど加熱する。 「ホイルを開けると、閉じ込められていたきのこやレモン、バター、しょうゆの香りがふんわりと広がり、食欲をそそります。ご飯のおかずにもお酒のおつまみにもおすすめの一品です」