今年も営業スタート!「初めてでも釣れた」強烈なファイトに大興奮の神流川、“冬季ハコスチ釣り場”【群馬県上野村】
10月に入っても暖かい日が続き、紅葉の進み具合も足踏み状態でしたが、ようやく少し冷え込んできましたね。秋になると本州の多くの一般河川での釣りが禁漁になります。それと入れ替わるタイミングで増えているのが、河川の特定の区間に設けられた“冬季釣り場”です。 ◆【画像】圧巻の大型レインボー! 美しくヒレの整った“美ハコ”(すべての写真を見る) 群馬県上野村を流れる神流川は美しく澄んだ流れが特徴で、渓流釣りシーズンは多くの釣り人を魅了しています。今季は10月19日に営業がスタートした「冬季ハコスチ釣り場」に行ってきました。
■今年も営業スタート! 神流川、上野村の冬季キャッチ&リリース区間
神流川は利根川水系に属する一級河川で、群馬県南西端の上野村にある三国山に端を発する、全長87kmあまりの川です。民家の裏を流れるような里川の雰囲気と、深い谷間に刻まれた山岳渓流の顔を合わせもつ清流です。上流部を管轄するのは上野村漁業協同組合(漁協)。濃い魚影はもちろん、釣り人に寄り添った運営が好評で、SNS等を通じての情報発信も頻繁に行われており、人気のフィールドとなっています。 一般渓流は禁漁となっていますが、10月~2月の間、キャッチ&リリースの「冬季ハコスチ釣り場」として営業しています。漁協の事務所がある川の駅の裏をメインステージとして、その上流と下流、約1.5kmの間が釣り場です。 ハコスチとは、遊漁用に水産試験場が開発したニジマス(レインボートラウト)です。野性味が強いスチールヘッド系ニジマスと、群馬県のみが保有する飼育しやすい箱島系ニジマスを交配したもの。スチールヘッド系の特徴を引き継いだ“引き”の強さと箱島系の姿形の美しさ両方を持つ魚です。群馬県が「ハコスチ」として商標登録しています。 ※キャッチアンドリリースや魚の取り扱いについては、上野村漁協のウェブサイトを参照のこと。 火曜定休となるので要注意!
■ハコスチの強烈なファイトに大興奮!
今年の紅葉は遅れ気味です。取材日は10月下旬でしたが、わずかに色づき始めた程度でした。 川の駅から見下ろした釣り場は、緩急のリズムある流れが続いています。前日には整ったヒレが美しい“美ハコ”の追加放流もされたそうです。目を凝らして水の流れを見ていると、大きな魚影がちらほらと確認でき、俄然期待が高まります。 フライロッドにラインを通して、静かにキャスティングを繰り返します。小さなアタリはあるものの、なかなかフッキングにはいたりません。掛かってもすぐにバレてしまいます。 首を捻りながら「さすがに簡単には釣れないか」と思っていたら、いきなり強烈なアタリとともにフライを魚が咥えました。とにかく引きが強くよく走るハコスチは、プールの中を行ったり来たりしながら垂直にジャンプして興奮させます。激しく頭を振りながら川床へ引き込もうとする魚とやり取りすること数分、銀ピカのハコスチをネットに導くことができました。 当日は朝10時の段階で50人ほどが入場したそうです。広い釣り場には適度に間隔を空けてルアーやフライ、なかにはテンカラ(延べ竿での和式毛鉤)を手にした釣り人が熱心に竿を振っています。さすがに「次から次へと釣れる」という訳にはいきませんが、まるで交代するように上流で、下流で、大きく曲がったロッドを掲げている釣り人が見受けられます。 ちょうど対岸のテンカラ師が一匹掛けました。弓形にロッドがしなり、水面が激しく乱れている様子にこちらまでワクワクしながら横目で見ていると、筆者のフライにも2本目が掛かりました。大物の手応えにドキドキします。1本目より時間をかけて、レッドバンドが印象的な見事な“美ハコ”をネットに導くことができました。