バレンティン逮捕 日本と異なる米国の法律事情
■大物助っ人逮捕の衝撃 プロ野球で昨季、シーズン最多本塁打新記録となる60本塁打を放ったヤクルトのウラディミール・バレンティン選手(29)が、米国フロリダ州のマイアミで、妻・カーラさんを監禁、暴行したとして逮捕されたことが、13日(日本時間14日)に明らかになった。AP通信によると、同選手は結婚6年目で現在は、離婚協議中のカーラ夫人の家に行き、対応を拒否され、窓から侵入。2階に逃げた夫人の腕を掴み、寝室に鍵を掛けて閉じ込めたという。現地13日午後の時点で、同選手の身柄はまだ留置所に拘束されているという。 王貞治氏のシーズン最多本塁打記録を更新した大物助っ人が、DV(ドメスティック・バイオレンス)で逮捕とは、何とも物騒な話。現役選手の逮捕という一報に、2016年まで大型契約を残すヤクルト球団は、朝から事実確認などの対応に追われた。バレンティンの代理人もさっそくフロリダに向かった。 日本の感覚で言えば、監禁、暴行による逮捕となれば、社会論理的に即、解雇というイメージかもしれないが、実はアメリカ社会において、よくある話でもある。 ■日本と異なるDVに対する法律事情 DVの法律事情が日本と米国では大きく違う。DVを扱う刑法は、州によって異なるが、今回バレンティンの現場となったフロリダ州は、DVに厳しい土地柄。米国では、例え第三者からの通報でも、警察が当該者のどちらかの身柄を拘束して、引き離す措置を取るのが一般的だ。警察が妻を被害者と判断したら、夫が逮捕される格好になる。ぶっちゃけ、妻の方が「この人に暴力を振るわれた」と言って、青あざか、擦り傷のひとつでも見せれば、夫は、大抵、しょっぴかれてしまう。バレンティンに近い関係者は「奥さんは慰謝料目当てで大げさに騒いだのではないか」とも見ている。 ほぼ1年前だが、楽天に入団する直前にアンドリュー・ジョーンズも同じような夫人への暴行で逮捕されている。酔った末に夫人に暴行。7時間の身柄拘束の後、2500ドル(約26万円)の保釈金を支払った同選手は釈放され、事件は不起訴となった。同選手は、球団を通じて謝罪のコメントを出し、球団も「行き過ぎた夫婦喧嘩」と解釈して、“日本行き”が認められた。この事件の起きたジョージア州もフロリダと同様。DVに対する州法が厳しい。