「第3次大戦は既に始まっている...我々の予測は口にするのも憚られるものだ」── JPモルガンCEO
気候変動は後回しでいい
「(人類が直面する問題は)気候変動ではない。核拡散だ。今後2年ほど、われわれは(軍事的な)目標の設定と達成に極めて慎重でなければならない」 核を保有する国が増えれば、核使用の確率が高まり、地球上の多くの都市が壊滅的打撃を受けるリスクが高まると、ダイモンは指摘する。 「世界の主要都市が狙われるのは、時間の問題となる。そのリスクを明確に認識し、他の事柄を全て後回しにしてでも、今すぐこの脅威を止めなければならない」 オハイオ州立大学の政治学者ポール・ベックは、ダイモンの警告が傾聴に値することを認めつつ、第3次世界大戦が不可避であるとは考えていないと言う。 旧ソ連が崩壊し、冷戦が終わった1991年以降、しばらくの間アメリカとロシアは比較的平穏な関係を保っていたが、いまその潮目は変わったとみていいと、ベックは本誌に話した。「ロシアのウクライナ侵攻や米選挙に対するロシアの干渉で、今は米ロの対立が過熱している状況だ」 「さらにイランとの『冷戦』も継続中で、イスラエルの動きにより、それが熱い戦争に発展する恐れもある。一方で台湾に対する中国の脅威もあり、それらを見渡せば、確かに第3次世界大戦の始まりとも解釈できる状況だ。しかし、そこまでは行っていないと私はみている」
トランプが再選されたら?
米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ前大統領は10月初め、イランがイスラエルに過去最大規模の約200発の弾道ミサイル攻撃を行ったという報道を受けて、ウィスコンシン州ワウナキーで行った選挙集会で「世界的な大惨事はすぐそこまで迫っている」と支持者に警告した。 「私はかなり前から第3次世界大戦について語ってきた。予言はしたくない。予言は必ず実現するからだ」と断った上で、トランプは、目前に迫った世界的な大惨事を止められるのは自分だけだと豪語した。
スザンヌ・ブレーク