【心理カウンセラー・中元日芽香(元乃木坂46)】推し活とシスターフッド。伊藤万理華との絆も!
中元日芽香さんは乃木坂46の元メンバーであり、現在は心理カウンセラー。この連載では、“推される側”を経験し、“推す側”のメンタルにも寄り添ってきた彼女ならではの視点で、推し活とメンタルヘルスの関係について語ります。今回のテーマは「推し活とシスターフッド」。姉妹のようにずっと変わらぬ思いを感じられる、乃木坂46同期との絆。推される側、推す側それぞれの「尊い」関係について語ります! 【写真多数!】中元日芽香さん(元乃木坂46)
推し活とシスターフッド
今回、改めてシスターフッドという言葉について調べてみました。「姉妹愛」から広がり、現在は「女性同士の連帯」という意味で使われています。フェミニズムの文脈でも語られるキーワードですが、私なりに考えて「同性間の強固な結びつき」や「同性だからこその絆」ととらえました。 同じ景色を見て成長してきた仲間、同じ集団の中でも肉親以上に近しい感情を持てる人。「私たち、すごく近いよね」という共感があり、この人にならなんでも話せるし、話していて心強く感じる…パートナーとも、家族とも違う結びつきを感じる同性の相手。これまでの経験を通じてシスターフッドについて考えてみると、そんな人との関係性が思い描かれます。 私自身のシスターフッドを感じる相手――同性の親友として浮かんだ人は、伊藤万理華さん。乃木坂46の1期生として、私が15歳、彼女が16歳のときに出会い、卒業のタイミングも一緒でした。グループを卒業して6年、それぞれのやりたいことが実を結んでいる感じも似ていて、人生の流れを一緒に歩んでいるように思える。これから出会うどんな人とも、まったく同じ関係を結べるとは思えない、大切な人です。
乃木坂46の“ひめたん”と“まりっか”から始まる、13年のシスターフッド
乃木坂46に所属していたアイドル時代、私は“ひめたん”、万理華は“まりっか”と呼ばれていました。第一印象、私から見た彼女は、常に一歩先を行っているような存在。そして彼女は当時、私を見て「ツインテールで可愛らしくアイドルしているのに、中身めっちゃドライじゃん! おもろい、この子!」と思っていたのだそう。「いったいこの子は何を考えて何に関心を持っているの?」と気になって、ぐいぐい話しかけてきました(笑)。「いやいや、そんな私なんて」と、私はやんわり押し返してみたりして(笑)。それでも私の心のガードを蹴破って、押し開いてきてくれたんです。彼女のアタックがなかったら、現在こんな関係にはなれていないかもしれません。 好きなものやスタイルも、もとから似ているわけではない二人。けれど、よくよく深い話をしていくと「なんだか私たち、すごく近いわね」と頷き合ってしまう。具体的には、仕事をしていくうえで大事にしたいこと、それから、もともと内面に持っている繊細さに共通点を感じます。人の根っこのところが近いんだなと思います。 13年の付き合いになり、私はカウンセラー、彼女は俳優になりました。今となっては、仕事も普段過ごしている環境も全然違っています。けれど、数カ月に1度は、どちらからともなく会おう、となり、仕事の話、将来の話、生き方の話をしています。会うと「大事にしていきたいのはここだよね」「こういう生き方していきたいよね」と盛り上がり、最後にいつも「そんな今の私たち、イケてるよね!」なんて言って、笑い合っています。 10代の多感な時期を同じグループで過ごして、乗り越えた体験や当時の気持ちを共有している彼女と私。その後の人生のひとつひとつの選択、進んだ道はそれぞれです。けれど今やお互いが人生や人格をつくるひとつの大切なパーツになっています。転機があるたび、一緒に話を聞いて、喜んだりしたい。そんな関係に名前をつけるなら、シスターフッドがしっくりきます。