「1日は生活保護費の支給日。売春客が増える」そして事件は2日に起きた 姉に対する強盗殺人の罪に問われたホームレスの妹(52) 知人の女に伝えた言葉
裁判官 ホームレスになった理由は 辻和美被告 ―(うつむいて)ギャンブルで借金ばかりこさえてどうしようもなく家を出た所からホームレスになりました 裁判官 なぜ家を出ないといけないのですか 辻和美被告 ―元旦那にしても子供にしても迷惑かかると思いました 2008年10月、パチンコによる借金から、子供2人を置いて家を出た和美被告。最初は、インターネットカフェで寝ていたが、身分証を紛失してからは、主にビルの非常階段やその踊り場を寝床にしていたという。当初は北九州市一の歓楽街がある小倉北区周辺だったが、2014年警察から一時保護されたことを機に、その後は、第二の都市・八幡西区黒崎に移動した。黒崎にも駅前に歓楽街が広がっている。 荷物はふたつ。リュックと肩にかけるバッグ。共犯とされる岡村被告から渡されていた携帯電話、いわゆるガラケーも一緒に持ち歩いていた。 ■借金があると思ったのは「ベランダから子供に食料を入れてくれたから」 ガラケーで客を探し売春をしながらその稼ぎのほとんどを岡村被告と2人の子供に送金している。これまでの裁判で和美被告は、送金の理由について「借金の返済」だと繰り返し述べたが、本当に借金があったのか、あったとしたらいくらなのか、和美被告本人も「分からない」と答えるばかりで判然としていなかった。 裁判官 岡村被告にこれまで5800万円を送金していますが、何で送金したのですか 辻和美被告 ―岡村被告から金を借りているということで、返済ということで入金していました 裁判官 借りた覚えはありませんか 辻和美被告 ―はい 裁判官 なぜずっと送金していたんですか 辻和美被告 ―子どもが2人いたもので、家を出たあと子供たちに、(子供たちが住んでいる)団地のベランダから食料を入れてくれていて 岡村被告の2人の子供のいずれかが入れていたみたいです その金が(借金として)ついたのかなと思いました 裁判官 それを確かめましたか 辻和美被告 ―結構な量の水や食料があったと聞きました、嘘ではないと思っていて、それがかさんだと思っていました 裁判官 それでも多いと思いますが 辻和美被告 ―それ以外もあったのかなと、だから貸してるということかなと思っていました