川内山形屋のスイーツ支えて半世紀、金生饅頭の店が11日閉店 変わり種たい焼き「うまだい」人気 「もう食べられないの?」…惜しむファンで連日にぎわい 薩摩川内市
鹿児島県薩摩川内市の川内山形屋1階で、約半世紀にわたり金生饅頭(まんじゅう)などを製造・販売してきた永野商店が、11日を最後に閉店する。オリジナルのたい焼き「うまだい」などを求めて、惜しむファンが連日訪れている。 【写真】店の前に立つ永野純一さん、多美子さん夫妻=7日、薩摩川内市の川内山形屋
店主の永野純一さん(73)と妻の多美子さん(70)が、1975(昭和50)年ごろ営業を開始。店内で場所を変えながら、丸に岩の刻印が入った「黄金金生饅頭」を販売してきた。 転機は童謡「およげ!たいやきくん」のヒット。たい焼きの販売を始め大人気となったが、間もなくブームが終了した。全く売れなくなり、遊び心で果物や野菜などを入れて提供していた時、ウインナーとマヨネーズ入りを女子中学生3人が大絶賛。頭文字の「う」と「ま」から「うまだい」と名付け、今に続く人気商品となった。 2人は「元気なうちにやめて、ゆっくりしたい」と2、3年前から閉店を考えてきた。今年7月下旬に張り紙を出すと「残念」「続けて」という客が相次いだ。冷凍にして遠方の家族に送る人もおり、純一さんは「みんなに喜んでもらい、ここまでやってこられたのは本当に幸せ」と感謝している。 営業は午前10時から午後5時。材料がなくなれば終了する。混雑時の時間短縮のため、できるだけ5個入りパックでの購入をお願いしている。
南日本新聞 | 鹿児島