村田諒太vsゴロフキンの2018年末東京ドーム決戦構想を米メディアが報道
因縁の再戦を劇的なTKOで制してWBA世界ミドル級王者となった村田諒太(31、帝拳)が、今後、順調に防衛を進めていけば、2018年末にも、3団体統一王者のゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との東京ドーム決戦が計画されることが明らかになった。米国のボクシング専門サイト「ボクシング・シーン」が「ゴロフキンのプローモーターが村田と日本で戦う気持ちがある」というタイトルで報じたものだ。 同記事は、「村田のプロモーターでもあるトップランク社のボブ・アラムが東京ドームでのゴロフキンとの戦いを考えていることを明らかにした」とした上で、ゴロフキンのプロモーターであるトム・レフラー氏の衝撃的なコメントを掲載した。 「日本でゴロフキンがファイトすることは素晴らしいことだとずっと考えていた。それは100パーセント間違いない」 さらにプロモーターのレフラー氏は、「我々は村田をリスペクトしている。実は、彼とは以前、ビッグベア(ゴロフキンのキャンプ場所)で一緒にトレーニングをしたことがある。彼は、大きなノックアウトで(エンダムに)勝った。それはトリプルG(ゴロフキン)のために大きな意味をなすことだ」と続けた。 ただ両者の対決実現に障害がないわけではない。 今回の村田が7回終了時のTKO勝利でアッサン・エンダム(フランス)を破った試合は、米スポーツ専門チャンネルのESPNで全米に流されたが、これはトップランク社とESPNの独占契約にもとづいたもの。一方、ゴロフキンは、全米有料ネットワークのHBOとの独占契約を結んでおり、そこがネックになる。 それでもレフラー氏は、ボクシング・シーンのスティーブ・キム記者に「確かにHBOとの独占契約があるが、村田との試合が可能であるならば模索したい。だが、まだすべてが時期早尚だ。我々は、現在、カネロ(サウル・アルバレス)との再試合の実現に集中している。しかし、日本で村田と戦う機会がやって来れば、その戦いに興味を持っている」と、村田との試合の実現に前向きであることを明らかにした。 ゴロフキンは9月16日に2階級王者のサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)と“ミドル頂上決戦”を戦ったが、結果は、判定に物議が生まれた苦しいドロー防衛となった。 両者は来年5月に再戦する方向で協議を続けているため、村田戦の実現は、その試合の後で、しかも、無敗のゴロフキンが、その試合でベルトを守ることも条件となる。 また村田も、来春に日本で初防衛戦を行い、来夏には、米国で2度目の防衛戦を行い、全米のマーケットに村田の存在感をアピールする計画を練っている。ゴロフキン戦を来年末に東京ドームで実現させるためには、ミドルという過酷な階級において村田も、2度防衛に成功していることが必須条件となるのだ。 同サイトの記事は、レフター氏の「全てのことは、まだ仮定で、とても前段階的な話。しかし、私はボブ・アラムが、2018年の終わりまでに何かを計画中だということを知っている。スケジュールの都合をつけることはできるだろう」というコメントで結ばれている。 その言葉通り、現段階では、あくまでも夢構想だが、村田とゴロフキン戦が東京ドームで開催されれば、日本のボクシング史を大きく塗り替えるビッグマッチになることは間違いない。