大舞台で最も難しいことは…。堀越DF竹内利樹人主将は、これまでの努力を表現することに「執着したい」
「やっぱり努力はもちろんするんですけど、努力したからどうにかなるって訳じゃなくて、努力したからこそ、その努力をやっぱり表現しなきゃいけない。そこの最後が1番難しいと思っているので、『今まで頑張ってきたからいけるでしょ』じゃなくて、今まで頑張ってきたからこそ、どれだけここの舞台でそれを出すかっていうところに執着したいと思います」 【写真】「イケメン揃い」「遺伝子を感じる」長友佑都の妻・平愛梨さんが家族写真を公開 前回大会3位の堀越高(東京A)は、第103回全国高校サッカー選手権で2回戦(対津工高)から登場。前回大会経験者でもある右SB竹内利樹人主将(3年=三菱養和SC巣鴨ジュニアユース出身)は今大会へ向け、これまでの努力を大舞台で表現することに「執着したい」とコメントした。 前回大会で5度目の出場だった堀越は快進撃。準々決勝で佐賀東高(佐賀)に競り勝つなど計4勝し、初の準決勝進出を果たした。個々の質が高く、攻守に渡って主導権を握れる好チームという評価も。その一方、選手たちには厳しい声も聞こえてきていたという。 「くじ運がどうだったみたいな、運で勝ってきたんだよな、みたいに言われてて、それが凄い悔しくて……。一方でそれは事実でもあるんで、強いチームに勝てればそういうことも言われない。なので、やっぱり今年はどのチームが来てもしっかり勝てるような戦術というか、自分たちでやることを確立させて、どのチームにも通用するレベルで試合をしようっていうことを目指してやってきた」と竹内は説明する。 今年度のチームは関東大会予選準決勝で敗れ、インターハイ予選も代表決定戦を前に敗退。その後、選手主導のボトムアップ方式でも核を担う竹内は、股関節の怪我によって選手権予選までプレーできなかった。 その中で主将は常にピッチサイドから声。また、ミーティングでは担当分以外にも個人で抽出した映像を持って意見を述べた。「(フィールドの選手は)『何で試合出てないやつが言ってくんだ』みたいな、多分そういう思いもあったと思いますし、やっぱり中から言うのと外から言うのでは全く違うんで」。言いたいことはあるのに声が届かなかったり、伝えられなかったりすることも。プレーすることもできず、主将は「もうほんとに思い出したくないぐらいです」という日々だったというが、チームは自分の声にも耳を傾けながら改善を繰り返し、強いチームを築き上げてくれた。 6月末以降、堀越は都1部リーグ14試合連続負け無しで優勝。選手権予選も厳しい試合を乗り越えて2連覇を達成した。選手権予選準決勝から復帰した竹内もチームの2冠に貢献。「元からもう自分がどうこうしたっていうよりかは、自分は少し言葉添えただけで、あとはみんなが作ってきてくれた。本来の意味でのボトムアップっていうところはできてきている。自分はどちらかっていうと、周りに連れてきてもらった側なんで、その分、自分がそのキャプテンとしてできることを最大限やって、みんなに還元というか、貢献できるように頑張りたい」。選手権開幕2週間前の敗戦によって、チームはまた引き締まった。 12月16日のプリンスリーグ関東2部プレーオフ2回戦で堀越は日体大柏高(千葉)に1-4で敗戦。前半にミスも絡んで3点を奪われ、目標のプリンスリーグ関東昇格を果たすことができなかった。 翌日のトレーニング開始前、竹内はチームメートたちの前で厳しく指摘。目指してきた強いチームに勝つ集団になれていないこと、サブの選手のエネルギーが先発組を上回っていないことなど熱量を持って仲間たちに問いかけていた。ここへ来てチームの失点数も増加。緩みがあったことを認め、「負けてしまった以上はもう変えられないんで、そこからどれだけ吸収できるか。自分たちを修正させられるかにかかってると思うんで、ここから2週間ぐらい全力でやりたい」と誓っていた。 竹内個人も“リベンジの舞台”と捉える選手権が、28日に開幕する。「(1年前は)周りの雰囲気や試合の緊張感に圧倒されて、自分の実力が出せなかったりとか、言ってしまえばビビったりとかしていて。でも、それが(当時は)本来の実力だったと思うんで。それをどれくらい克服というか、成長できたかっていうのを見せられるところだと思っているんで、全力でやりたいと思います」。負傷離脱する期間が長かったものの、できることに一つ一つ取り組んでプレーヤーとして成長。また、チームのことを考えてきた日々は誰にも負けないという自負がある。 「サッカーへの向き合い方で言えば、どこのチームのキャプテンにも負けるつもりはないですし、どこよりも考えてきたっていう自負はあるので、そこは自信もって。あとはやっぱりプレーをどれだけ見せられるかなので、そっちを頑張りたいと思います」。ピッチ上でチームに安心感を与え、リーダーとして一体感をより生み出す存在になること。そして、25年1月13日の決勝までチームメートたちと戦い続ける。 「何回も言いますけど、どのチームにも勝てるような、そういうチームでありたいと思ってるので、この全国の舞台っていうところに戻ってこれて、そこで何をできるかっていうのに重きを置いて頑張りたいと思います。自分たちで作ってきたチームなんで、愛着があるというか、やっぱりこのメンバーで最後までやり切りたいんで、まずは1戦1戦勝ちたいです」。自分たちの努力を表現することに集中。そして、どの相手にも勝ち続けて日本一を勝ち取る。