左から）松田凌、大野拓朗、立道梨緒奈 （撮影：石阪大輔）

衝撃の世界観で多くのファンを魅了する漫画『進撃の巨人』。昨年には「『進撃の巨人』-the Musical-」としてミュージカル化され、大きな話題を呼んだ。そして早くも再演が決定。東京、大阪公演に先駆け、ニューヨーク公演も行われる。そこで初演に引き続きの参加となる大野拓朗、松田凌、立道梨緒奈の3人に、本作にかける想いを語ってもらった。 【全ての写真】大野拓朗、松田凌、立道梨緒奈の撮り下ろしカット ――昨年1月の初演時の感触、手応えはいかがでしたか？ 大野　おかげさまで大好評をいただきました。大阪公演の初日の反響がすご過ぎて、特大ムーブメントを目の当たりにした感動がありました。 松田　自分が演劇をやっていて一番好きなのが、お客様からいただく拍手。その音が満足度の伝わる、とても温かいもので。本当に嬉しかったですし、開幕まで抱いていた我々の不安を吹き飛ばしてくれました。 立道　私もあの拍手を聞いた時に、ものすごくホッとしたのを覚えています。これだけ大きな作品なのでプレッシャーもありましたが、ここからさらに頑張って、楽しんでいこうと思えた初日でした。 ――原作は言わずと知れた大人気漫画ですが、ミュージカル化することによってさらにどんな魅力が加わったと思いますか？ 大野　やっぱり劇場空間って非現実の、特別なものだと思うんです。しかもミュージカルなので音楽があって、ダンスがあって、歌がある。『進撃の巨人』の世界観に五感で浸れるというのは、ミュージカル化した大きな功績であり、魅力のひとつだと思います。 松田　『進撃の巨人』は毒味というか、えぐみもある作品で、それを体感していただいた時に9割ポジティブな影響だとしても、1割そうではない可能性もあると思うんです。でも歌やダンス、さまざまなギミックを使うことによって、とてもバランスのいい作品に仕上がっていると思います。 立道　私は開演前に客席で流れる音の演出がめちゃくちゃ好きで！　劇場という閉ざされた空間の中で響くあの音。めちゃくちゃ怖いんですが、開演前から作品の世界に没入させてくれる感覚があって。そういうことが出来るのは舞台ならではだと思います。 ――早くも再演が決定。お三方は前回に続き、調査兵団のエルヴィン・スミス、リヴァイ、ハンジ・ゾエを演じられます。 大野　エルヴィンの魅力はやっぱり、そのカリスマ性と説得力、あとすべての人物が有無を言わさずついていく統率力だと思います。そこは一番のプレッシャーでしたが、周りのみんなが作り上げてくれた部分も大きくて。あと僕自身エルヴィンが大好きなので、エルヴィンファンの皆さんの代表として、理想のエルヴィンに近づきたいと思いました。そのために作品の考察を、SNSでとことんリサーチして。普段役作りをする時は台本と向き合うものですが、エルヴィンに関してはスマホも活用しました（笑）。 松田　僕はこのお話をいただいた時に、リヴァイを体現する覚悟を背負えなければ受けてはいけない役だと思っていました。特に劇中のリヴァイはほとんどの時間を空中にいるので、戦闘中の彼だからこその姿勢というものがあって。 大野　“人類最強の兵士”だからね！ 松田　そう！　リヴァイを演じるからには、舞台写真を撮ってもらった時に、その1枚1枚が漫画のひとコマのような画になっていたい。そんなふうに、人類最強たる所以を常に探っていたと思います。 立道　完結編を見た時、巨人にひとりで向かって行くハンジの背中がカッコ良過ぎる！と思ったんです。ミュージカル版にそのシーン自体はないですが、あぁやっぱりこの人ってめちゃくちゃカッコいいんだなと。もちろんハンジの明るい部分、優しい部分も大事にしたいとは思いつつ、ハンジを含めた調査兵団の人たちは、みんなカッコいいし強い。改めてその部分をしっかり出していきたいと思いました。 ――12月の東京公演に先駆け、10月には初のニューヨーク公演も控えています。 松田　僕はまさに調査兵団みたいな気持ちです。どういう未来が待っているのか、まったくわからないので。（役に入り込んで）前回なかなか戻らなかった“しかめっ面”ですが、今回はその2乗くらい、ずっと眉間に皺が寄っているかもしれません（笑）。 大野・立道　（笑）。 立道　私はただただ楽しみです。特にお客様の反応。いろいろなギミックで巨人が表現されるので、それを見た瞬間、もうテンション上がって、声を出して盛り上がってくれるんじゃないかなと。 大野　僕自身はこれまでも海外の舞台に立ったり、観たりしてきましたが、日本のカンパニーによって作られたこの「『進撃の巨人』-the Musical-」は、絶対に世界トップクラスの、唯一無二の作品だと思います。今回こうして世界中のファンの皆様にお披露目出来るのがとても嬉しいですし、絶対に感動してもらえると自負しています！ 松田　なんか三者三様のコメントで、まさに役柄通りだなって……。 大野・立道　本当に！（笑） 取材・文：野上瑠美子 撮影：石阪大輔 【松田凌】 ヘアメイク：齊藤沙織 スタイリスト：ヨシダミホ 【立道梨緒奈】 ヘアメイク：山口かな子 スタイリスト：小田優士 ＜公演情報＞ 『進撃の巨人』-the Musical- 【東京公演】2024年12月13日(金)～12月22日(日) TOKYO DOME CITY HALL 【大阪公演】2025年1月11日(土)～1月13日(日・祝) オリックス劇場