ナイン、順延もプラスに 航空石川、星稜が室内練習で汗 選抜高校野球
選抜高校野球大会は6日目の23日に今大会初の順延となり、試合が予定されていた航空石川と星稜の2校は甲子園球場の室内練習場で練習し、24日の仕切り直しの一戦に備えた。初戦を迎える航空石川の寳田一慧(ほうだいっけい)主将は「朝5時に起きて準備をしてきたが残念。気持ちを切らさず、プラスに捉えたい」と前を向いた。 【写真】記念写真に納まる被災地能登の高校球児=23日午前11時35分 午前6時に試合中止が発表された。試合予定だった6校は、球場内の室内練習場で順番に約1時間半の練習をこなした。 航空石川は午前7時半からトスやティーなど打撃練習に重きを置いた。ナインは開幕した18日から1週間、第1試合の開始時間の9時に合わせ、就寝を午後10時、起床は午前5時を徹底してきた。 18日の初戦で田辺(和歌山)を下した星稜はトスバッティングなど打撃練習を中心に汗を流した。初戦後は甲子園初勝利となった山下智将監督にウイニングボールを渡したそうで、芦硲(あしさこ)晃太主将は「勝ち切れたことが大きかった。今はメンバーの緊張もほぐれてきて、不安要素はない」と力を込めた。 ●能登の球児来場 球場には能登半島地震で甚大な被害があった能登地区計13校の球児、指導者178人が訪れ、特別にグラウンドで記念撮影をしたり、そばの甲子園歴史館を見学したりした。 各校の保護者会からの要望に石川県高野連、日本高野連が応え、クラウドファンディングなどで資金を募って企画した。当初は航空石川と星稜の試合を見学する予定だった。翌日の試合は見ずに帰る参加者もいるが、生徒たちは聖地の土を踏んで歓声を上げていた。 穴水高の東野魁仁主将は「とても興奮した。地震で苦しい思いをしたけど、いろんな人に支えてもらえて貴重な体験ができた」と話し、羽咋工高の岡羚音主将は「試合を見たい気持ちはあったけど、次は自分たちの実力でこの舞台に立ちたいと思った」と話した。