綱取り琴桜「自分自身との勝負」 優勝狙う豊昇龍と横綱同時昇進はあるか 大相撲初場所
日本相撲協会は10日、大相撲初場所(12日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。先場所初優勝の琴桜は隆の勝と小結阿炎、先場所13勝の豊昇龍は霧島と翔猿の順に対戦する。 ◇ 元横綱琴桜の孫である2代目琴桜と、元横綱朝青龍を叔父に持つ豊昇龍の両大関が初場所で横綱昇進に挑む。照ノ富士以来、3年半ぶりに新横綱は誕生するか。過去5組しかない横綱同時昇進はあるのか注目される。 相撲協会の諮問機関、横綱審議委員会(横審)の横綱推薦内規は「2場所連続優勝か、それに準ずる好成績」。先場所に続く優勝で文句なしの昇進を決めたい琴桜は10日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で、すり足など軽めの調整を行い、「誰が相手とかでなく、自分自身との勝負」と静かな口調で意気込みを語った。 6日の横審による稽古総見では精彩を欠いたが、師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「体の張りも良いし、(冬巡業中から続いていた)気管支炎もだいぶ良くなった」と、仕上がりは順調だとみる。 豊昇龍は先場所、琴桜との千秋楽相星決戦に敗れ、13勝2敗の優勝次点だったため、昇進には優勝が絶対条件だ。本人は琴桜と昇進を争うことを「良いんじゃないですか」とプラスに受け止め、「1人だけライバル視しているわけじゃない。毎日、対戦する力士をライバルだと思っている」と気を引き締める。先場所から前に出る相撲が増え、ここまでの稽古も充実している。 今場所は一人横綱の照ノ富士が3場所ぶりに出場する。もう1人の大関、大の里も状態が良い。横綱大関を中心とした引き締まった優勝争いが期待できそうだ。