日本維新の会、衆院選敗戦に危機感 松井代表「支持拡大に魔法はない」
日本維新の会は25日、臨時党大会を開き、松井一郎代表(大阪府知事)の再任を決めた。代表選を求める声もあったが、実施せず松井代表が続投することを起立多数で了承した。先月の衆院選では公示前から3議席減らして11議席にとどまった。所属議員や党員らは党勢拡大に向けた意見や要望を訴え、危機感をにじませた。松井代表は「一朝一夕に支持拡大はできない」と議員一人ひとりの活動の積み重ねが重要だと述べた。
大阪と関東は全く違う
臨時党大会の冒頭、松井代表は衆議院選での敗戦について、すべての納税者として納得できる政治や地方分権などを訴えたが「国民には届かなかったということ。結果を真摯に受け止めて分析し、期待される政党になるために再スタート切らなければならない」と述べた。 その後の意見交換の場では、国政を目指す党員や地方議員らから今後の党への危機感がにじんだ。 衆院の埼玉4区選挙区支部長の青柳仁士氏は、10月の衆院選に立候補したが涙を飲んだ。埼玉県では青柳氏を含む5人が全滅し、得票率も低下傾向にあることを指摘し、「大阪と、大阪以外の関東で感じる危機感は全く違う。有権者の目も違う」と訴えた。参院の埼玉県選挙区支部長の沢田良氏も、大阪の地方議会で大阪維新の会が自民に替わり行政を担っている状況を「大阪の奇跡」と称して、「これを埼玉でどうやるか。はっきりいって現状では不可能」と述べ、重点地区を決めて支援を厚くすることを求めた。
希望との選挙協力の経緯は
衆院選前に、東京都の小池百合子知事が立ち上げた希望の党と選挙協力を結んだことに対する説明を求める声も出た。 「希望の党との関係の経緯は?」(大阪市議・辻淳子氏)、「和歌山では比例も希望に入れたほうがいいのか?という問い合わせがあった。東京・大阪以外の地域では分かりにくさがあった」(和歌山市議・林隆一氏)などの質問に対し、松井代表は「同じような公約を掲げてバラバラに戦うのはお互いにマイナスが出てくる。公約が重なり合うなら戦略的互恵関係を築こうと話をした。お互いの本拠地(大阪と東京)においてはぶつかり合わない配慮。それ以外の所で切磋琢磨しようと」と説明した。 大阪市議の辻氏からは今後の党をどう引っ張っていくのかただす質問も出た。松井代表は「政党は政策を実現するための道具と思っている。僕も含めて一人ひとりがパーツ。役割を終えれば交代するもの」とした上で、「われわれのような『しがらみ』なく政治をやっている団体はいまのところ日本でわれわれだけ。国民に広げていくには一人ひとりの活動の積み重ねしかない」と呼びかけた。