ついに人類初の「50-50」達成!大谷翔平「超人的な盗塁」を徹底分析"驚くべき推進力の秘密"
人類初の「50-50」
ついに大谷翔平(30)が快挙を成し遂げた!日本時間9月20日、マーリンズ戦に1番・指名打者で出場。2本塁打、2盗塁を見事に決めて、「50-50(50本塁打、50盗塁)」を達成した。これはもちろん「人類初」の快挙である。 【画像】大谷翔平「超人的な盗塁」の秘密 連続写真で走塁フォームを分析…! 「あまり意識はしていません。走塁は行ける時にしっかり進塁できれば、と。盗塁じゃなく、タッチアップだとしても常に進塁する意識を持ちたい」 日本時間9月9日に行われたガーディアンズ戦で46号本塁打を放ったドジャースの大谷は、報道陣から人類初の「50-50」達成について聞かれると謙虚に答えた。 豪快なアーチばかりが注目されがちな大谷だが、盗塁も超人的だ(以下、成績は9月11日時点)。 「51回盗塁に挑戦し、失敗はわずか4回です。成功率は92%を超えています。’01年に56個で盗塁王に輝いた、イチローの成功率が80%。’98年に『42-46』を達成したアレックス・ロドリゲスが78%です。大谷の盗塁の精度が、いかに高いかわかるでしょう」(スポーツ紙担当記者) 大谷の走塁の秀逸(しゅういつ)さは、どこにあるのだろうか。動作分析の専門家で筑波大学・体育専門学群教授の川村卓(たかし)氏が言う。 「大谷の盗塁は、間一髪でセーフというケースがほとんどありません。余裕で次の塁を陥れている。二刀流をこなし投手の心理や動作をよく理解しているだけでなく、対戦相手の配球など詳しいデータも頭に入れているのでしょう」 連続写真を見ながら、川村教授の解説に耳を傾けよう。 「①の始動で大切なのは、低い前傾姿勢でスタートすることです。身長193㎝の大谷のような大柄な選手は、上半身と下半身のバランスがとれず前のめりになりフォームが崩れがち。しかし大谷は股関節がしっかりしているのでしょう。左足から頭まで一直線の前傾姿勢で、理想的なスタートを切っています」 ②から④にかけても、大谷の非凡さがうかがえるという。 「走る時に脚の運動量を増やすため、多くの人がヒザを上に動かそうとします。しかし上下運動が激しくなるとフォームは崩れます。また野球選手はボールを投げることを日常にしているため、肩甲骨を使いがち。これも走塁にはマイナスで、肩を動かすと身体の動きが横にブレるんです。大谷は上下運動を抑え、低い姿勢を保ったまま走っています(②)。また肩甲骨を使わず、両腕の縦の動きだけで走る(③)。フォームが崩れないため、頭の位置もほぼ変わっていません(④)」 川村教授によると、大谷の走行フォームは昨季から格段に良くなったという。打者に専念する今季は、盗塁を意識し春のキャンプで走塁トレーニングに打ち込む姿がたびたび報じられていた。 「大谷はスライディングするまでに、平均で11歩ほどかけています。通常は14~15歩。ストライド(歩幅)の大きさも利点の一つでしょう。唯一の不安要素は、スライディングで左手を地面につくクセがあることです(⑤)。グラウンドを滑る勢いで、腕をケガする要因になりえますから。それ以外は100点満点の走塁で、驚くべき推進力を生んでいます」 前人未踏の「50-50」でさえ、大谷にとっては「当然の結果」だったということだ。「人類初」の偉業を成し遂げた男の挑戦は、どこまで続くのだろうか。 『FRIDAY』2024年9月27日・10月4日合併号より
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