ヒグマ駆除の拒否、北海道猟友会が支部の判断「尊重」で調整…「警察や市町村の十分な協力必要」
市町村からヒグマの駆除要請があった際の対応を検討していた北海道猟友会は、地元警察や市町村などによる支援体制が整わない支部については、要請を拒否しても「尊重」する方向で調整に入った。複数の猟友会関係者への取材で分かった。近く開催する幹部による会議で正式に決める。 【写真】牛66頭襲った「OSO18」の牙などを展示
ヒグマの駆除を巡っては、2018年に砂川市の要請を受け、民家近くで駆除した男性ハンターが、道公安委員会に「危険な発砲があった」として、猟銃所持許可を取り消された。男性は処分は不当として提訴。札幌地裁は男性の訴えを認めたが、札幌高裁は10月、取り消しは妥当とする判決を出した。男性は上告したが、一部の支部からハンターのみが重い責任を負わされることに不安の声が上がり、道猟友会が対応を検討していた。
関係者らによると、道猟友会は、人里近くで猟銃を使って駆除する場合、道警や市町村など関係機関と十分な事前協議ができる環境にない支部では、砂川市と同様の事態が起きかねないと判断している。
道猟友会幹部は「駆除を続けさせるのであれば、市町村や道警からの十分な協力が必要だ」と話した。