【ブラックカレー】小宮山雄飛さんプロデュースの「渋谷ブラックカレー」が、ぐうの音も出ないほどガチだった:パリッコ『今週のハマりメシ』第126回
ある日、あるとき、ある場所で食べた食事が、その日の気分や体調にあまりにもぴたりとハマることが、ごくまれにある。 【画像】おつまみが1000円でこの量! それは、飲み食いが好きな僕にとって大げさでなく無上の喜びだし、ベストな選択ができたことに対し、「自分って天才?」と、心密かに脳内でガッツポーズをとってしまう瞬間でもある。 そんな"ハマりメシ"を求め、今日もメシを食い、酒を飲むのです。 * * * 今回はこの連載では珍しい、ゲスト登場パターン。ただ先に断っておきたいのは、決して宣伝を頼まれたわけでも、なんらかの見返りをもらっているわけでもない。ただ純粋に、楽しくて美味しかったある日の記録だ。 小宮山雄飛さんといえば、1996年にバンド「ホフディラン」のメンバーとしてデビューし、以来現在に至るまで、第一線で活躍し続けているスーパーミュージシャン。同時に、グルメや酒場に精通する文化人としての活動も幅広く、大衆酒場やスパイスカレーに関する本を出版したり、飲食店「Lemon Rice TOKYO」を開いたりもされている。僕はありがたいことに「酒好き」という強引な共通点一点のみで、数年前から仲良くさせてもらっているのだった。 そんな雄飛さんがプロデュースし、「東急プラザ渋谷」6階のレストランフロアで、約1年間の期間限定で営業中の食堂兼酒場が「もしも食堂『酒場食堂』」。 僕も以前に一度おじゃまし、場所がら、当然若者向けのスタイリッシュさを基本にはしているものの、メニューや料理の提供スタイルなど、随所に本気の大衆酒場好きである雄飛さんのこだわりがあふれていて、とても感動した。 ところで、僕と同業のライターで飲み友達、ともに「酒の穴」という謎のユニットまで組んでいる、スズキナオさんという方がいる。ナオさんもまた雄飛さんとは共通の知り合いで、一度酒場食堂へ行きたいと思いつつ、大阪在住ゆえ、なかなかその機会がなかったのだそう。が、先日東京に来た際にちょうど予定のない日が1日あって、「一緒に行きませんか?」と誘ってもらった。実は酒場食堂は今、3月末の閉店に向けてのグランドフィナーレ営業中。僕も行きたいと思っていたからちょうどいい。ぜひ! と返事をし、ある平日の夕方営業開始とともに、お店へと向かった。 なにはともあれ、まずは生ビールだろうとメニューを見ると、なんとハッピーアワー中とのことで、1杯税込み330円。これは嬉しい。最高の気分で乾杯だ。 グランドフィナーレ営業の目玉は、「お礼の大感謝祭 グルメ小鉢フェア!」なんと1皿200円均一の小鉢が数多く揃い、しかも3皿で500円、6皿で1000円と、多く頼むほどにお得になるらしい。僕とナオさんの最大の共通点は、しみったれた酒飲みであること。なにを頼めば満足度が最大になるか? 攻略法を考えている時点で、もう最高に楽しい。 ふたりで検討を重ねた結果、6品の内容はこのようになった。 ・ねぎとろたく ・ミニトマト蜂蜜生姜漬け ・金目鯛西京焼き ・大根ステーキ ・ポテトサラダグラタン ・クリームコロッケ