【甲子園】なぜ、大社・馬庭優太は大会屈指の好投手となったのか 野球人、人間的な4つの魅力
強い気持ちを携えて
最後に投手として最も重要な「気持ち」だ。 島根の公立勢では1998年夏の浜田高以来の8強進出。当時のエースは和田毅(ソフトバンク)である。レジェンド左腕への「意識」を聞くと、馬庭は間髪を入れずにこう答えた。 「過去を背負いたくない。比べるのは……。今のチームを見ている。このチームでもっと、上を目指す。新しい歴史を作りにきたので」 8月19日は昨夏の4強・神村学園高(鹿児島)との準々決勝である。「8強」という当初の目標は達成したが、もちろん、さらに上を見据える。気になるのは「球数制限」だ。 8月11日の報徳学園との1回戦で137球、15日の創成館との2回戦で115球、そして、早実との3回戦で149球を投じた。「1週間で500球」という規定があり、現状は2回戦以降が対象。19日の準々決勝と、勝ち上がれば21日の準決勝までで、合計236球が上限となる。先を見るよりも、まずは、県勢では03年の江の川高(現・石見智翠館高)以来、大社高としては107年ぶりの4強に挑む。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール