山口百恵「明菜さんに歌ってほしい」 2006年公開映画の主題歌「いい日旅立ち」 谷村新司が書き下ろしたの名曲のカバー
この年の10月7日公開の映画「旅の贈りもの/0:00発」の主題歌だった。シンガー・ソングライターの徳永英明が初主演だっただけに「明菜と徳永という当時、カバーアルバムで一世を風靡した組み合わせも大きな話題でした。しかも明菜が映画主題歌を歌うのは初めてのことでした。それにしても2人ともユニバーサルでは(明菜の育ての親として知られてきた)寺林晁さんがプロデュースしていたので納得でしたが、それにしても異例のコンビでの映画でした」(音楽関係者)。
「いい日旅立ち」は、1978年に山口百恵が歌って大ヒットした名曲。しかも映画の主題歌で明菜がカバーすることに、百恵は「明菜さんに歌ってほしいと思っていた。明菜さんで蘇るなら最高にうれしい」と異例のコメントまで出した。さらに百恵の音楽プロデューサーだった酒井政利氏も「名曲は歌い継がれてこそ、新しい生命が宿る。明菜さんはアイドル発の歌手の中でも抜群のボーカリストとして認知されている。その明菜さんがカバーすることに百恵さんが喜ぶのは当然でしょう」と語っていた。
そんな「いい日旅立ち」を歌うことに明菜も大ノリだった。
「百恵さんの曲は子供の頃から大好きでよく聞いていました。あの歌唱力とテクニックは子供が歌うには難しすぎて、うまく歌えなかった思い出があります。そんな百恵さんの曲を歌うことは、私にとって大きなチャレンジです。映画の主題歌ともどもみんなに聞いていただけたらうれしい」と目を輝かせていた。
ちなみに同映画はJR西日本などが製作したもので「真夜中を告げる0時00分に大阪駅から発車する不思議な列車の物語でした。さまざまな悩みを持った人々が行き先不明の臨時列車に乗り、幻の港町〝風町〟で心を癒やし、再生していくハートフルなロードムービーでした」(映画関係者)。 (芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)
■中森明菜(なかもり・あきな) 1965年7月13日生まれ、東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組「スター誕生!」で合格し、82年5月1日、シングル「スローモーション」でデビュー。「少女A」「禁区」「北ウイング」「飾りじゃないのよ涙は」「DESIRE―情熱―」などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。
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