独ティッセンクルップ、鉄鋼部門で1万1000人の削減を提案-業況悪化
(ブルームバーグ): 独ティッセンクルップの鉄鋼部門は25日、人員削減と外部委託を通じて1万1000人の雇用を減らす計画を明らかにした。世界的な過剰生産とエネルギー価格高騰のあおりで多額の損失を出し続けており、事業縮小を余儀なくされている。
鉄鋼部門の取締役会が5000人の人員削減と、6000人の職務を外部委託に移行することを提案した。向こう数年間で人件費の平均10%カットを目指す。現在の従業員は約2万7000人。
同社はチェコの富豪ダニエル・クレティンスキー氏のEPコーポレート・グループ(EPCG)との間で、EPCGの出資比率を現行の20%から50%に引き上げる可能性について協議を行っている。
かつて工業大国ドイツの代名詞だったティッセンクルップは目下、経営再建の途上にある。2020年にはエレベーター部門を172億ユーロ(現在のレートで約2兆7800億円)で売却することに成功したが、鉄鋼部門による一連の損失や評価損で手元資金が大きく減少している。
ティッセンクルップは声明文で「過剰生産能力と、その結果として特にアジアから安価な輸入品が増加していることが、競争力に大きな影響を与えている」と述べた。
原題:Thyssenkrupp Proposes 11,000 Job Cuts at Struggling Steel Unit(抜粋)
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William Wilkes