36年ぶり党大会から読み解けるもの 北朝鮮の今後の路線は?
「5度目の核実験」留保で外交攻勢か
注目すべきは、19人の政治局員と9人の政治局員候補からなる党の最高執行部に李洙●(リ・スヨン)外相が政治局員として、また6者協議首席代表の李容浩外務次官が政治局員候補に抜擢されたことです。異例中の異例のことで、金委員長が外交を重視しているかが窺い知れます。 金委員長が党大会前に噂されていた5度目の核実験を自制しているところをみると、核実験留保を切り札に外交攻勢を掛ける考えのようです。 可能性としては極めて低いのですが、仮にオバマ政権が核実験凍結を条件にクリントン、ブッシュ歴代政権のように任期最後の年に北朝鮮との交渉に乗り出すようだと、日朝も連動して動きます。問題は、核実験やミサイル発射をいつまで自重していられるかにかかっていますが、それもこれも金委員長の胸三寸にあるようです。 ※●は「つちへん」に「庸」
-------------------------------------------- ■辺真一(ぴょん・じんいる) 「コリアレポート」編集長。東京生まれ。明治学院大学(英文科)卒業後、新聞記者を経て、フリージャーナリストへ。 1982年 朝鮮半島問題専門誌「コリア・レポート」創刊。 1986年 テレビ、ラジオで評論活動を開始。 1998年 ラジオ短波「アジアニュース」パーソナリティー。 1999年 参議院朝鮮問題調査会の参考人。 2003年 海上保安庁政策アドバイザー。 2003年 沖縄大学客員教授