3代目“金太郎”鈴木伸之「熱い思いが映画を通して伝わったらうれしい」<サラリーマン金太郎>
映画「サラリーマン金太郎【暁】編」(2025年1月10日[金]公開)の完成披露舞台あいさつが12月9日、東京・新宿バルト9で行われ、主演の鈴木伸之、共演の文音、影山優佳、浅野温子、榎木孝明、下山天監督が登壇。完成の喜びや撮影秘話などについて、トークを繰り広げた。 ギター弾き語りで真剣な表情を見せる鈴木伸之 ■3代目“金太郎”鈴木伸之が新風を巻き起こす シリーズ累計3000万部を突破した本宮ひろ志の人気漫画「サラリーマン金太郎」が、連載開始から30年の時を経て前後編2部作として映画化。新たな金太郎の誕生を告げる「サラリーマン金太郎【暁】編」は2025年1月10日(金)、金太郎が日本を牛耳る巨大利権に立ち向かう「サラリーマン金太郎【魁】編」が2月7日(金)から公開となる。 これまで、高橋克典や永井大の主演でテレビドラマ化や映画化もされてきた「サラリーマン金太郎」。今回、破天荒な元ヤンサラリーマン・矢島金太郎の3代目に鈴木が就任。膠着した令和の日本に、そして混沌とした世界に新風を巻き起こす。 2部作仕立ての本作で、まだ新米サラリーマンの若者から管理職の重責を知るベテランまで、誰もがそれぞれのポジションで感じている現実の壁を、鈴木=金太郎が痛快かつ爽快に突き破っていく。 ■鈴木伸之「これまででダントツで1番アクションの多かった作品」 「サラリーマン金太郎【暁】編」の完成披露舞台あいさつには、鈴木、文音、影山、浅野、榎木、下山監督が登場。詰め掛けたファンの拍手に迎えられ、イベントがスタート。 満員御礼で行われたこの日、鈴木は「まさか、自分が金太郎を演じる日が来るとは思わず、一生懸命やりたいと思いました。今回、僕で3代目の金太郎になるわけですが、時代に関係なく心の熱い部分が訴え掛けるものは、どの時代も変わらない。撮影中は、そのときに生まれた気持ちにうそをつかず演じられたと思います。これまででダントツで1番アクションの多かった作品で、貴重な経験をさせていただきました」と胸を張る。 ヤマト建設の会長・大和守之助役の榎木は「昭和の金太郎を令和に!? と思ったけど、杞憂だった。本当にピッタリ」と“鈴木版・金太郎”に太鼓判を押し、「人間の頑張りようは時代を超える! 試写を見て、彼の頑張りで泣けました。自分の作品で泣くなんて自分でもビックリしました」と感涙を報告。 地下組織のリーダー・李秀麗役の文音は「鈴木君は真っすぐな男で、金太郎にピッタリ。現場で1番声を出していたのが鈴木君で、ナイターになるとテンションが上がって、ずっとジョークを言っていました。そのすべてに私が突っ込んでいました」と、思い出し笑いを見せる。 ■影山優佳、浅野温子が鈴木伸之で風よけ? 金太郎の同僚・前田一美役の影山は「縁の下の力持ちを座長がやってくださって、本当に頼もしかった」と鈴木のムードメーカーぶりを明かしながら、「伸之さんはスタイルが良いので、海のシーンでは風下に立って伸之さんの体で風よけをしてました。いろいろな形でお世話になりました」と長身の鈴木のカバーに感謝。 これに鈴木は「全然知りませんでした。いつも僕の後ろにはいるなとは思っていたけど…」と苦笑いすると、すかさず浅野が「私もしていたよ!」と打ち明け、鈴木は「光栄です!」と身を持って寒風から大先輩を守れたことを誇る。 謎の老婆・中村加代役の浅野は「彼(鈴木)とは飲んでばかりのシーンが多かったけど、大きな杯で一気飲みする場面は、馬鹿みたいに本気で飲み始めて信じられなかった。私も本気で見てしまって…。あんなに真剣に芝居したのは初めて。彼は馬鹿正直にお芝居をされる方で、見ていて気持ちが良かった」とリスペクト。 一方、初共演の鈴木は「今回、初めてご一緒して、次回も絶対にご一緒したいと思いました! 大尊敬! 圧倒的なお芝居の力がありました」と最敬礼すると、浅野は「かわいいね~!」と大喜びの様子を見せていた。 連載開始から30年の人気マンガを実写映画化した下山監督は、「この30年で大切な何かが日本から失われたのではないか? この生きづらい令和の世にこそ、矢島金太郎の持つ、強さと優しさと正義が必要なのではないかと思った」と本作製作の狙いを明かした。 ■キャスト陣が“型破り”なエピソードを告白 型破りなサラリーマン・金太郎が、時代や常識をぶち破るという映画の内容にちなんで、自身の“型破り”な一面をそれぞれ発表することに。 鈴木は「おいしい魚の干物を見つけて、自宅のグリルで調理しました。でも、網の下に入れる水の量が分からずパンパンに入れたら、魚の油と水がバシャッとこぼれて2、3日臭いが取れなかった。魚はおいしかったけど、床はとんでもないことに。誰か消臭方法を知りませんか?」と型破り男飯に苦笑い。 榎木は「30年前に行っていた単独ヒマラヤ登山」と若き日の無茶を振り返り、文音は「撮影初日の居酒屋のシーンで、肩の力が入ってしまい、『金ちゃーん!』と言いながらテーブルに並んでいる酒を全部なぎ倒した」と型破りなNGに反省する。 一方、影山は型破りな特技として「寝たら覚える能力がある」といい「舞台に出演した際に、一度寝たら舞台の台本を全部覚えていて、頭の中で読み上げるように音読ができた」と、尋常ではない自身の記憶力を報告。そんな俳優としてうらやまし過ぎる能力に、浅野は「え? 暗記パン!?」とビックリ。 その浅野は「禁煙しました!」と禁煙に6カ月成功していることが自身にとって“型破り”だと話すが、「令和ですから、時代とともに禁煙して。でも、私的には気が狂いそうなので、いずれ戻る!」と喫煙を予告し、笑いを誘う。 舞台あいさつ終盤には、原作者・本宮からの「金太郎は30年前に『世の中の主人公はサラリーマン・働く人全てである』という思いで描き始めた漫画です。その気持ちは今でも変わりません。映画を見ていただいて『世の中に元気』が届けられることを期待している」という激賞メッセージを紹介。その言葉に大感激の鈴木は「偉大なる先生なので、いつかご縁があればお会いして、丁寧にごあいさつをしたい!」と初対面を希望。 最後に、鈴木は「金太郎は働くサラリーマンの味方であるべき存在です。彼の熱い思いが、映画を通して伝わったらうれしい。仕事で落ち込んだり、嫌なことがあったりしたときに、この映画が皆さんの背中を押してくれる存在になったら幸いです」と、客席へ向けて心温まるメッセージを送り、会場が拍手に包まれる中で完成披露舞台あいさつは幕を閉じた。