〈ブライトリング〉の新作アベンジャーは 全身にブラックセラミックをまとった“超軽量”のソリッドデザインに惹かれる!
黒のダウンジャケットに、黒のレザージャケット。冬アウターの主役となるのが、都会的でスタイリッシュに見えるダーク系のアイテム。そして、その手元に馴染むタイムピースとなると、やはりこちらもシックなブラックボディがふさわしいだろう。そこで紹介したいのが、〈ブライトリング>のアベンジャー B01 クロノグラフ 44 ナイトミッション。ご覧のように、ケース素材にブラックセラミックを採用したこちらは全身真っ黒! 精悍な見た目がなんともお洒落。さらに機能はプロ仕様と、大人好みの“本物”が味わえるのだからたまらない! そんな同社のDNAを体現するアベンジャーが今秋、生まれ変わった。アベンジャーは2001年に誕生した比較的新しいコレクションで、航空計器としての原点を感じさせる無骨さに、誰もがTPOを選ばず使いこなせる汎用性や、より日常に馴染むスマートな外観をプラスすることで幅広い層に支持されてきた。 今回発表された3型11モデルの中でも、アベンジャー B01 クロノグラフ 44 ナイトミッションはとりわけ同社のストイックな機能美が際立つ、象徴的なモデル。ブラックを基調とした配色と、機能性に徹した無駄のないフォルムが完璧なバランスで融合する。 このモデルのケースとベゼルに使われているのは、ブラックセラミック。セラミックは一般的な時計のケース素材であるステンレススチールやゴールドより軽量、かつ強靭で、耐傷性や耐磨耗性も高い。さらに非金属のため金属アレルギーの心配もなく、熱伝動性が低いため肌馴染みがよいという長所まである。なにより、独特の高級な質感がアベンジャーならではの研ぎ澄まされた機能美を引き立てる。さらに、プッシャーやリューズなどに同じく軽量で耐久性に富むチタンを投入し、2つの素材の相乗効果によって実用性と審美性が極限まで高められている。 だが核心は、素材のみではなかった! このモデルはシースルーバックを採用しているが、これが意味するものはつまり、“中身”を見せたい、ということ。新型アベンジャーのクロノグラフのムーブメントは従来のキャリバー13に代わり、自社開発・製造のキャリバー01が搭載されている。 キャリバー01は〈ブライトリング〉が2009年に発表した初の自社製クロノグラフキャリバーで、コラムホイールや垂直クラッチといったクロノグラフ機構の高級仕様を網羅。確実な計測を実現すると同時に、最大巻き上げ時の連続駆動時間は約70時間にも及ぶ。同社の他のモデルと同じく時計の精度の国際的な権威、COSC(スイス公認クロノメーター検定協会)の規格に準拠しており、つまり、高精度で長時間の駆動が可能。さらに24時間常に日付表示の変更が可能で、利便性も抜群。 最高位の駆動機構を軽量な躯体に収めた“ナイトミッション”は、空軍パイロットの発案で生まれた回転ベゼルの“ライダータブ”や、30気圧防水など本格的なスペックと相まっていよいよ装備品たる気迫のようなものまで漂う。一方で、漆黒のカーボンファイバーダイヤルやテキスタイル調のレザーストラップなど、外装の細やかな意匠はとてもファッショナブル。総じて硬派な“航空モード”ながら艶めいた気品も感じさせるモノトーンの佇まいが、都会を自由に闊歩する、大人のライフスタイルをそつなくフォローすることだろう。 見た目だけで実質をともなわない時計は、所詮、日々の営みに決定的な影響を与えることはできない。アベンジャー B01 クロノグラフ 44 ナイトミッションの背景には、任務に命を賭けるプロたちのドラマが息づく。ゆえに、本当にクールなブラックモデルと言えるだろう。
文=川口哲郎 text:Tatsuro Kawaguchi