世界的に人気の高いストリート系の国際競技会「Ｘゲームズ」千葉大会は20日、千葉市・幕張メッセで開幕。各種目の予選が行われた。 この日は「千葉市民招待デー」で、平日ながら一般市民約3000人に加えて近隣の小学生が大挙観戦に訪れた。スケートボード女子ストリートの予選では、パリ五輪で金メダルを獲得した14歳の吉沢恋（ここ、ACT SB STORE）や銀メダルの赤間凛音（りず、15）がコースに入ると大きな歓声が上がり、演技を終えると拍手が響鳴り響いた。 吉沢は1回目のランで80.33点をマークして4番手に。2回目はミスや転倒が出て得点を更新できなかったが、4位で予選を通過した。1回目に81.66点で3位につけた赤間は、2回目は84.00点としたが順位は上げられず3位。クロエ・コーベル（14）＝オーストラリア＝が1位、14日の世界選手権決勝（ローマ）で3位だった伊藤美優（17）が2位で通過した。 パリ五輪での金メダル獲得後、国内で初めての試合で大きな声援を受けた吉沢は「五輪の影響はすごく大きいなと思う」と改めて感じた様子。注目が高まる中でも「今までの自分と変わらずに、しっかりレベルアップしていければいいのかなと思う」と自然体で臨む。 ローマの世界選手権から帰国して、休む間もなく臨んだが「自分も出たかった舞台だし、あまり疲れを見せずに楽しんで滑れたらいい」。 日本で3度目の開催となるXゲームズ。昨年まではZOZOマリンスタジアムが会場で、雨にたたられることが多かった。今回は屋内が会場となり、残暑の強い日差しが照り付けたこの日も、快適な競技環境が提供された。コースには樹齢100年、時価100万円の盆栽が設置されたり、枯れ山水を思わせる石が配置されたりと、随所に和風のテイストが感じられる。 吉沢にとっては初出場のXゲームズ。五輪や五輪予選のような勝敗が第一の大会と違って「みんながラフな感じで滑っているのもそうだし、いろんな大会に比べて笑顔が見られる。大会というよりイベントという感じが強い」とリラックスした表情だ。 決勝は21日午後1時10分から。19日の練習で落下した際に左のかかとを少し痛めたという吉沢だが、「できるだけケアして、決勝は万全でいけたら」。逆転での金メダルに照準を合わせている。