「世界の黒幕は…?」陰謀論をテーマにした映画(1)。闇をえぐる問題作…世界熱狂の快挙は嘘だった!?
SNSの発達にともない、近年、世界を席巻している陰謀論。今回は、政府の陰謀や大統領暗殺、ロサンゼルスの闇の部分などを描く、陰謀論をテーマにした映画を5本セレクト。観たものを疑心暗鬼にさせ、イライラさせるが、最終的には爽快感すら感じさせる作品を集めた。今回は第1回。
『カプリコン・1』(1978)
監督:ピーター・ハイアムズ 脚本:ピーター・ハイアムズ キャスト ロバート・コールフィールド:エリオット・グールド チャールズ・ブルーベーカー:ジェームズ・ブローリン ブルーベーカー夫人:ブレンダ・ヴァッカロ 【作品内容】 人類初の火星有人探査機「カプリコン・1」。その乗組員たちは、打ち上げの数分前に、いきなり砂漠にある古い基地へ連行される。彼らは、火星のセットで上陸の演技を強要されるが、その後ロケットが爆発。乗組員たちは、ジェット機を奪い、基地からの捨て身の脱出劇を図ることになる。 【注目ポイント】 1969年にアメリカが達成した人類初の月面着陸は、政府が仕組んだ壮大な捏造であるー。1974年、宇宙船開発者が出版した本を皮切りにいまだに根強い人気を得ている「アポロ計画陰謀説」。本作は、この説に材を得た奇想天外なサスペンスアクションである。 監督は、ドキュメンタリー映画を手掛ける新人・ピーター・ハイアムズ。キャストには、「M★A★S★H」のエリオット・グールドをはじめ、アメリカンニューシネマで活躍するアクの強い役者が顔をそろえる。 監督のピーターは、駆け出しの頃、戦火のベトナムを取材。政府の発表と前線の兵士のギャップに怒りを感じ、本作を制作したという。1970年代は、折しもベトナム戦争やウォーターゲート事件から、アメリカ政府への威信が大きく揺らいでいた時代。本作は、そんな当時の空気感を閉じ込めた貴重な1本となっている。
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