神宮外苑再開発が「人権に悪影響!」とは? 国連〇〇の報告書から見える国連至上主義の幻想と「やらかし」の歴史
2つの国連
「国連〇〇」は、福島原発事故関連でもやらかしています。次の2つの発言を見てみましょう。 「子供や出産年齢の女性は、まだ福島に戻るべきではない。なぜなら福島はまだ危険だから」 (2018:国連人権理事会) 「福島は大丈夫だ。そもそも原発事故の汚染に起因する健康被害は発生していない」 (2014:原子放射線の影響に関する国連科学委員会) どちらも実在する国連組織の報告です。この全く異なる2つの報告書のせいで、SNS上では「こっちの報告書が正しい」「間違っているのはオマエだ」という殴り合いが今も続いています。どうしてくれるの。 実は2018年の報告書は、「神宮外苑」と同じ国連人権理事会が「13%売春」と同じ特別報告者という民間人に作らせたもの。一方で2014年の報告書は、数十名の専門家による科学的根拠に基づいた調査報告。どちらがマトモなのか、議論するまでもないですね。 国連と名の付く組織の中には、プーチンと戦っている凄い方々もいます。と同時に、組織内にトンデモな人物が食い込み、おかしくなっている団体もあるのです。 「国連の〇〇」が錦の御旗に見えてしまう報じられ方にも問題があると思いますが、何より「国連が、国連が」と主語を大きくして語る人は、そもそも国連という組織をよく知らないか、あるいは知っているのに……でしょう。 国連には「松竹梅」「甲乙丙丁」あるんです。是非知っておきましょう。 Text:小木曽健(国際大学GLOCOM客員研究員) ※本記事のタイトルはFORZA STYLE編集部によるものです。
小木曽 健