農業女子が新団体 千葉・銚子、交流深め技術向上…担い手不足解消、地域振興へ
千葉県銚子市の女性農家らが18日、若手を中心とする農業者団体「あぐり農業女子いろCOCO銚子」を立ち上げた。これまで希薄だった女性農家同士の交流を深め、全体の農業技術の向上を図るとともに、農業イベントを開催するなどし、担い手不足の解消や地域振興につなげる。 活動のスローガンは「女子力でイノベーションに取り組み、銚子から彩りある農業を実践する」。市内在住の20代から50代の女性農家23人が参加する。 これまで、農家が集まる会合は男性が中心で、女性同士で経験や悩みを語り合える場がなかった。気軽に話し合える新たな居場所を提供することで、前向きに農業と向き合えるようにする。 県によると、銚子市や旭市といった海匝(かいそう)地域では、女性は基幹的農業従事者の4割以上を占める重要な担い手だが、若手の人材が不足。海匝地域では女性農家のうち、45歳未満は約9%にとどまる。今後は最新の知識を学ぶ勉強会を定期的に開き、地域の慣習にとらわれない新たな農業の形を模索。一人でも多くの女性が就農できる環境整備も進める。 この日、市内で行われた基調講演では、八街市で子育てしながら農園を営む中込麻衣子さんが登壇し、経営のノウハウなどについてアドバイス。会員らは真剣な表情で耳を傾け、メモを取ったり、質問したりしていた。 銚子市の越川信一市長も駆けつけ、「銚子は漁業の町といわれるが、実は農業人口の方が多い。喜びや苦労を共有しながら、どんどんチャレンジしてほしい。地産地消の学校給食にもつなげたい」とあいさつした。 設立に携わった農家の岩井亜弥子さん(41)は「女性が一枚岩となって楽しく農業に取り組み、地域の活性化に貢献したい。会員も今後もっと増やしていきたい」と意気込んだ。(松崎翼)