アップデートを受けたレッドブルRB20

　レッドブルはF1ハンガリーGPで、ここまでで最大のアップデートをRB20に投入した。レッドブルでモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ曰く、そのアップデートはチームの思惑通り機能しているという。 【動画】20年でF1マシンはどれだけ変わった？　レッドブル、2005年RB1と2024年RB20を雨のシルバーストンで走行比較 　レッドブルはシーズン序盤こそ圧倒的な速さを見せたものの、中盤戦以降マクラーレンやメルセデスを筆頭にライバルが力を増してきたことからパフォーマンスの引き上げが急務となってきた。 　ドライバーのマックス・フェルスタッペンはライバルの接近を受けて、チームにさらなるアップデート投入を要求。チームはそれに応えるように、ハンガリーGPで予定よりも早く大型アップデートを持ち込んだ。 　レッドブルがハンガリーGPで変更を加えたのは、サイドポンツーン／エンジンカバー、ヘイロー、フロントウイング、フロント／リヤ・コーナー。初日はマックス・フェルスタッペンが新パーツを全て装着した一方、セルジオ・ペレスはサイドポンツーン／エンジンカバー以外の新パーツを装着した状態で走らせた。 　チームの説明の中で新しいサイドポンツーン／エンジンカバーは、ハイダウンフォースパッケージが求められるハンガロリンクでの「サーキット専用」とされており、”砲塔型”とも言える従来のエンジンカバーがサーキットによっては再び使用される可能性もあるという。 　フェルスタッペンが初日にマークした自己ベストタイムは1分18秒031。一方ペレスは1分18秒255と多少の開きはある。ただマルコはアップデートが機能していると説明した上で、マシンスペックの違いによるパフォーマンス差はわずかだと明かした。 「アップデートは上手くいっている」とマルコは語った。 「チェコ（ペレス）はひとつのパーツを除いて、マックスと同じアップデートを手にしている。そのひとつのパーツというのが、見て目で最も分かりやすいため、誰もが彼はアップデートをしていないと考えている」 「しかしチェコは残りのアップデートを持っており、性能の差はわずかなモノなのだ」 　またマルコは、これまでRB20が抱えていた問題について次のように説明した。 「ここ数戦は勝てなかったし、主な問題は正しいバランスをすぐに見つけられなかったことだ」 「マクラーレンと比べて、我々はどんなタイヤ、どんなコンディションでも常に速かった訳ではない。彼らはどんな気温でも、どんなタイヤコンパウンドでも関係なく競争力がある」 「今回見た限りでは、暑いのは問題ないし、全てのセッションで我々は上位にいる」 　大きなアップデートを携え挑むことから、フェルスタッペンはハンガリーGPが進歩を確認する上で重要な週末になると語っていた。 　マルコはレッドブルがコンストラクターズランキングで2番手のフェラーリに対して81ポイントのリードを築いていることから、ライバルのパフォーマンス向上にも楽観的な姿勢だが、フェルスタッペンがチームを奮い立たせることは良いことだと語った。 「我々は81ポイントもリードしている。しかしみんなマックスの性格は知っているし、彼は常に最大で最高のモノを求めている」とマルコは言う。 「上位にいる自分たちの強みに頼ることができるのは良いことだ」