「わかめ」を食べすぎるとどうなる?知っておきたいわかめのメリット&デメリット
甲状腺の病気のリスクが高くなる
ヨウ素は、適量であれば代謝やたんぱく質の合成を促進するなど、体にメリットをもたらします。 ところが、とり過ぎてしまうと反対に甲状腺ホルモンの合成が妨げられるなどの影響があらわれ、甲状腺機能低下症や甲状腺腫といった病気につながることが指摘されています。甲状腺機能低下症になると甲状腺ホルモンの分泌が低下し、無気力、肌の乾燥、むくみ、体重増加、便秘などを引き起こします。 日本人の食事摂取基準(2020年版)によると、成人の1日の耐用上限量(摂り過ぎによる健康障害を未然に防ぐ量)は3,000μgと設定されています。これを生わかめだけで満たすためには、約190g分=小鉢3杯弱に相当します。 生わかめは旬である冬から春にかけて流通することが多く、そのタイミングで一度に多く食べたり、毎食取り入れたりすると簡単にオーバーしてしまう可能性があります。 なお、塩蔵わかめ(塩抜き/生)の場合は370g、乾燥わかめ(素干し/水戻し)の場合は160gで耐用上限量に達してしまいます。乾燥わかめは水に浸さない状態では12分の1くらいの重量となるため、乾燥状態では13g程度に相当します。 すでに甲状腺に異状がある人の場合、これより少量であってもリスクが高い可能性があるため、医師の指示に従ってください。 また、妊婦、授乳婦、14歳以下の子どもは、耐用上限量がより低く設定されているため、それ以外の人たちよりも食べる量や頻度を減らすようにしましょう。
下痢などの不快な症状を招く
ほかの栄養素と比べるとそこまで多く含まれていませんが、わかめには食物繊維もある程度含まれています。 食物繊維は腸内環境を整えるなどの働きによって便秘解消に役立ちますが、こちらもとり過ぎによっては逆効果を生むことに……。 食物繊維には、水に溶けやすい水溶性食物繊維と溶けにくい不溶性食物繊維の2種類があります。そのうち、わかめには水溶性食物繊維のほうが多く含まれています。 水溶性食物繊維は、体内で水に溶けてゲル状になり、便をやわらかくする働きも持っています。ところが、とり過ぎた場合には便の水分量が増えすぎ、下痢などの腹部症状を起こす原因になることがあるのです。 また、食物繊維は消化に負担をかけるため、疲れているときや多く食べた場合に胃もたれを起こすこともあるでしょう。