「長生きしてラッキー」三國連太郎さんや仲代達矢が演じてきた利休…林与一「似合う人は僕以外に浮かばない」意気込みを語る
前進座の新作公演「雪間草―利休の娘お吟―」が今月17日と18日、「Niterra 日本特殊陶業市民会館」(名古屋市中区)で上演される。林与一(82)が千利休役で前進座に初めて特別出演し、「15年、20年前だったらこんな役はいただけない。長生きしてラッキー」と喜んだ。 海音寺潮五郎「天正女合戦」を原作に、林が利休、浜名実貴がその娘・お吟を演じ、豊臣秀吉と利休、そして2人に翻弄(ほんろう)された人々を描く本格時代劇。これまで三國連太郎さんや仲代達矢(91)らが利休を演じてきたが、林はテレビで一度演じたのみ。「ありがたいことにお茶の作法に心得があり、年齢的、見かけでも扮装(ふんそう)が似合う人は僕以外に浮かばない。いい時代に生まれた」と意気込む。 稽古前から「気持ちを入れなきゃいけない」と、自らじゅばんを2枚、腰ひも2本を手縫いした。寺巡りや陶芸にも出かけ、「無心でやったことが利休の何かになる。何年、何十年かたって『林与一の千利休は良かったね』という評価が残れば幸せだと思って、今苦しい思いをしています」と気合十分だ。 ヒロインの浜名もこれまで茶道に縁がなかったが、茶人を訪ねて役作りに生かし、「今は頭の中がお茶ばかり。お芝居を通じて新しいものに出会い、人生が豊かになるのはありがたい」と歓迎する。また名優との共演には「お芝居のことや役者の心得を劇団員みんなが学ぶ機会がいただけて、すごく楽しみ」と話した。
中日スポーツ