「必要としてくれる限り戦いたい」J1福岡の奈良竜樹主将が〝生涯〟アビスパ宣言 支援組織の胸打った、ピッチ外でも戦う理由
J1アビスパ福岡の奈良竜樹主将(31)が1日、福岡市内で地元財界を中心とした支援組織「AGA(アビスパ・グローバル・アソシエイツ)」の理事会に出席し「これからもアビスパ福岡のために全身全霊で戦っていきたい」と〝生涯アビスパ〟宣言をした。理事会後、奈良は報道陣に「自分を必要としてくれる限りは、このチームのために戦いたい」とも語った。 ■相手頭部が顔面に…痛々しい姿でピッチに立つウェリントン【写真】 左膝の手術で長期リハビリ中の奈良は「普段なかなか会えないけど、支えてくださっている人たちに感謝の気持ちを伝えたい」と出席を志願した。前日10月31日に今季限りでの退任が正式発表された長谷部茂利監督について「人として選手として、リーダーとしていろんなことを学ばせてもらった」と感謝。「思いや姿勢、意志をしっかり継いで頑張っていきたい。皆さんとともにアビスパ福岡はより発展し、強くなって、ゆくゆくはJ1優勝を目指して一緒に頑張っていきたい」と熱い思いを語った。 ここまでクラブ愛を前面に出すのも「大きな恩を感じている」からだという。北海道出身の奈良は札幌やFC東京、川崎、鹿島を経て2021年に福岡へ期限付き移籍で加入。翌年完全移籍した。加入直前の20年、鹿島ではJ1リーグ戦6試合の出場にとどまるなど不本意なシーズンに終わっていた。「本当に1年間苦しくて。キャリアを終えるかどうか、そういうところまで考えていたところで、アビスパ福岡さんが僕を必要としてくれた。その思いに応えたいという思いでやってきたつもりだし、これからも戦っていきたい」と明かした。 昨季は主将としてクラブ初タイトルとなるYBCルヴァン・カップを獲得。今季もJ1残留が濃厚になっている。10月下旬には小学校訪問など、サポーターの要望に応じて地域に根付くクラブを目指す「ROOT PROJECT」(ルート プロジェクト)を立ち上げた。「ピッチでは少しずつ結果が出ている中で、今後はクラブとしてどういう関わりができるのか。僕も家族も福岡の街が大好きなので、その街に何か貢献したい。やらされるのではなく、自分たちから前向きにやっていくことが広がれば、もっともっとアビスパ福岡は愛されて根付いて貢献できるクラブになっていくと思っている」と説明。ピッチの中でも外でも戦う主将の姿に拍手が送られていた。(末継智章)
西日本新聞社