【高校サッカー選手権】飛龍がプラン通りの戦いを見せ、磐田東を退け準々決勝へ進出
10月27日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選2次予選・1回戦が県内2会場で行われた。裾野市運動公園陸上競技場の第1試合は、共に県Aリーグ所属チームの対戦となり、飛龍が磐田東に1-0で勝利を収め、準々決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】磐田東 vs 飛龍 「今季も2回やっていて相手の力も大体把握した中で、守備から入ってツートップの動き出しに警戒して、相手の良いところを抑えて失点しなかったのが大きかった」と試合後、菊川達也監督がしたり顔で語ったように飛龍がプラン通りの戦い方を実践した。 試合は立ち上がりから磐田東が両サイドを広く使い、飛龍をじわじわと囲みながら、チャンスとみるや右サイドからDF18藤田峻が正確なクロスをゴール前のFW9宇都宮海斗に放り込み得点をうかがう。しかし、飛龍もしっかりとゴールに蓋をすると奪ったボールを前線のFW10丹羽咲人に集め反撃を仕掛ける。互いにゴールに近づく動きを見せるものの、持ち味を消しあったことで試合は膠着し、前半をスコアレスで折り返す。 44分、宇都宮の遠目からのシュートによって磐田東主導で動き出すと思われた後半だったが、ペースは徐々に飛龍に移行していく。55分には、PAに侵入した丹羽が相手DFに背後から足を掛けられ倒されたものの、ここはノーホイッスルでPKを認められず。直後のCKはゴール前で混戦となるも決めきれず。逆に19、22分と磐田東がゴールに迫る反撃を見せ再び試合は膠着してしまう。 しかし、後半終了間際の76分、飛龍がPKを獲得。「リーグ戦の時には右に蹴った。間を長くして逆に蹴ったらワンチャンあるかなと思った」と振り返った通り、キッカーの丹羽はこの大事な場面で冷静にゴールに収めた。 アディショナルタイムを含めた残り時間、磐田東も必死の反撃を試みるも最後の粘りを見せた飛龍が虎の子の1点を守り切り、藤枝東が待つ準々決勝進出を決めた。 試合後、菊川監督は「僕たちはもう毎試合ベストゲームを更新するっていう気持ちで、今日も彼らには全員集めて応援含めてベストゲームやろうって話しました。集中して失点しなかった。今季のベストゲームです」と笑顔を見せた。準々決勝に向けては「(藤枝東は)トップは強力だし、右も左も速い。次は守りの時間もある。当然(今日より)もっと長い。エコパまでっていう合言葉でみんなでやっていますので、そこを目指して次もチャレンジャー精神で思い切って打ち勝ちたい」と意気込みを見せた。 決勝ゴールとなったPKを決めたキャプテンの丹羽は「前半はちょっと落ち着いた感じでやって、後半に仕留めに行こうと考えていたプランが成功しました」と苦しみながらも思い通りに試合運びができたことを話すと「(藤枝東には)多分、反面ゲームぐらいされそうなので、1本のチャンスを逃さず狙っていきたい。藤枝東には小浦京之助(フェルボール愛知時代のチームメイト)がいるので負けるわけにはいかない」と自らを鼓舞した。 (文・写真=西山和広)