マリナーズ岩隈が勝てる理由は心理戦
昨年の春から、伸びを感じている。それが全体の組み立てを楽にしている。「ただ、そうはいっても、怖いっすけどね」と岩隈。「ミゲル・カブレラ(タイガース)とか、ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)とか、どんなボールにも対応してきますから」。彼らのような打者には、なかなか打ち取れるイメージが沸きにくい。 「でも」と岩隈は言う。「いいバッターでも、ミスはある。勝負しに行っているから、打ち取ったら、嬉しいですよ」。 岩隈は、95マイルの真っすぐを投げて、相手をねじ伏せるわけではない。例えば、相手のスイングから、狙いを理解し、瞬時に攻めを組み立てる。 一方で、大胆。「考えすぎてもダメ。日本みたいに、ボールから入ってとか、そんなことを考える必要はない」。岩隈と話をしていると、ピッチングへの興味を掻き立てられる。 ただ、それでも岩隈は言う。 「たまたまっすよ。たまたま。まぐれっす」 そうっすかねぇ? (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)