DeepLと徹底比較!PDFのレイアウトを崩さず翻訳できる最強ツールって?【今日のライフハックツール】
脱帽レベルの忠実なレイアウトと訳文
では、実際に使ってみて、レイアウトや訳文のクオリティを確認してみます。 使用するのは、米国心理科学会の会報で発表された“The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking ”という10ページの論文。 キーボードで入力するよりも手書きのほうが記憶にとどまりやすいという、ライフハック好きなら楽しめる内容です。 文章は、以下のように2段組みとなっていて、グラフもいくつか入っています。 これを、そのまま「Readable」にアップロードし、10秒足らずで仕上がった訳文をチェック。 まずレイアウトですが、忠実に保持されていることが見てとれます。たとえば下図のとおり、上に載せた切り抜き部分は、2段組は崩れず、グラフの位置も同じです。 訳文の質も文句なしの仕上がり レイアウトは完璧と言えますが、訳文の質は?論文の冒頭の要旨の訳文(一部)は次のとおり。 【「Readable」の訳文】 「ノートパソコンでメモを取るのは、手持ちではなく、ますます一般的になってきている。多くの研究者が、ノートパソコンの音符の取り方は、ロングハンドの音符の取り方よりも学習効果が低いと指摘しています。 先行研究では、主にノートパソコンを使用する際の学生のマルチタスクや注意力散漫の能力に焦点が当てられている。 本研究では、ノートパソコンがノートを取るためだけに使われたとしても、その使用によって処理が浅くなるため、学習が損なわれる可能性があることを示唆している」 最初の一文“Taking notes on laptops rather than in longhand is increasingly common.”は若干コケている様子。 筆者が訳すと「手書きよりもノートパソコンで書くことが、ますます一般的になっている」となります。 「Readable」が誤訳したのは、“longhand”。意味は、「手書き」ですが、「手持ち」と間違えています。次の文章にもこの単語が登場しますが、そこでは「ロングハンド」と誤訳。 また、“note taking”が「音符の取り方」と誤訳されています。作曲の話など文脈によってはありかもしれませんが、ここは「ノートの取り方」が正解。 また、「ですます調」と「だ・である調」が混在しています。現状、どちらかに統一する機能はないですが、内容把握の視点では大きな問題ではないでしょう。ちなみに、敬体・常体のどちらかに一括変換するサービスは、インターネット上にいくつもありますので、それを活用するのも◎。 総合的に見ると、指摘した箇所以外については誤訳はなく、かなりこなれた訳文になっています。 当初予想していなかったほどのクオリティに感服しました。“longhand”や“note taking”が読解できていないのは、「Readable」内蔵のAI辞書にこの単語が含まれていなかったのかなと推測します。 割愛しますが、要旨以降の本文についても素晴らしい仕上がり。「講義をプレイ」といった、つっかかる語句はありますが、わずかです。