PR会社投稿「盛っている」「広報全般任せていない」弁護士が説明 斎藤氏も法令抵触否定
兵庫県知事選で再選された斎藤元彦知事の交流サイト(SNS)の運用に絡み、PR会社の代表が選挙期間中の広報全般を担ったとインターネットに投稿し、公選法違反の疑いが指摘されていることについて、斎藤氏の代理人弁護士が27日、神戸市内で会見し、「広報全般を任せたというのは事実ではない」と投稿内容の核心部分を否定。投稿は「盛っている」との認識を示し、「公選法上も政治資金規正法上も問題ない」と強調した。 【写真】有権者に「種まき、育成、収穫」…兵庫県内のPR会社経営者が投稿した記事の一部 代理人の奥見司弁護士は、斎藤氏側がPR会社に支払った71万5千円はポスターや公約スライドなど制作物への対価で、「政治活動や立候補の準備行為に当たり、それに対価を支払うことは(公選法が禁じる)買収には当たらない」と述べた。 そのうえで、PR会社側の選挙期間中のSNS運用は、斎藤氏の考えに賛同した代表らによる「ボランティア」「個人としての活動」であり、適法だとした。 無償であっても、自治体と請負関係にあるなど「特別の利益を伴う契約の当事者」が選挙運動を担う場合は「寄付」に該当し、公選法で禁じられている。 代表は県主催の複数の会議で委員を務めていたが、奥見弁護士は「PR会社と県との間には請負契約はないと報告を受けている」と説明。代表の委員活動の契約形態も請負ではなく委任であり、謝礼も3年間で約15万円と少額だとして、「特別の利益を伴う契約の当事者」に該当しない、との認識を示した。 また選挙運動にPR会社の社員も含まれていた場合、政治資金規正法が禁ずる会社の寄付行為に当たる可能性も指摘されているが、奥見弁護士はこの点についても代表個人の活動であり、「会社から労務の無償提供を受けたものではない」と違法性を重ねて否定した。 一方、斎藤氏は同日、弁護士会見に先立ち、兵庫県庁で再選後初の定例会見に臨んだ。代表の投稿について「事前に一切見ていないし、聞いてもいない。若干の戸惑いはある」と語り、公選法をはじめとする「法令への抵触はない」と繰り返した。事実関係についての質問には「代理人に任せている」と明言を避けた。 PR会社は兵庫県西宮市にあり、代表の女性が今月20日、斎藤氏陣営のSNS運用に関し、「広報全般を任せていただいた」と投稿。有償で請け負っていれば買収に当たるのではとの指摘がネットなどで相次いでいた。