のん、俳優にアーティストと多彩な顔 目標地点は「すごく遠い。本当に終わりなき道」
現在の活動は「頂上がない山を登り続ける」
俳優としては、『この世界の片隅に』で第71回毎日映画コンクール 女優主演賞ノミネート、『さかなのこ』で第46回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞。2022年には自身が監督・脚本・主演・編集・アートを担当する映画『Ribbon』も発表している。 西田「監督もされているし、演じることもしている。何か一つ演じるときに、自分の中で大切にしていることはかありますか」 のん「しいて言うなら自分の欠点と役柄の欠点をすり合わせていくっていうのを大事にしています。役柄の持ってるものを自分の経験などを自分の中から見つけて、実感を持った演技をするために、自分のウィークポイントなるところに共感のところ串刺しにして、そこにリアルを持ってくる。長所は台本によく書いてあったり、短所としても押し出されていたりとかするんですけど、それを自分に引きつけて解釈していくということですね。あとは、役の行動を裏付けてドラマチックにするために役柄の『ペイン(痛み)』を見つけるというハリウッドでノートを書くやり方があってそれも大事にしてます」 西田「最後にこれだけ広がってきているのんさんは、今後どうなっていくんですか?」 のん「今やっていることの表現を天井知らずでどんどん高めていく。頂上がない山を登り続けるっていう感じ」 西田「目標はない?」 のん「目標はあるんですけど、もうすごく遠い。伊丹十三賞をいただいて改めて思い出したんですけど、宮本信子さんに『もう毎日満足いかなくて、駄目だって感じなんですよね』って相談したことがあって、その時に『満足できないから続けられるのよ』って言われたことがあったんですね。ということは、『宮本信子さんも満足してないんだ』って気づいて、すごく途方もなくて、どうしようかって、打ちのめされたんです。けど、なんかそれもかっこいいなって思えちゃって、本当に終わりなき道なんだなと思っています」 □のん 俳優・アーティスト。音楽、映画製作、アートなど幅広いジャンルで活動。2022年2月に自身が脚本、監督、主演の映画作品『Ribbon』公開(第24回上海国際映画祭GALA部門特別招待作品)。22年9月、主演映画『さかなのこ』で、第46回日本アカデミー賞を受賞。24年12月27日、主演映画『私にふさわしいホテル』公開予定。DMMTVでの実写ドラマ『幸せカナコの殺し屋生活』も24年冬に公開予定。音楽活動では、23年6月に、2ndフルアルバム『PURSUE』をリリース。24年、第16回伊丹十三賞を受賞。
読みテレ編集部