「ヘッドを効かすように」ソフトバンク近藤健介がもたらす波及効果 試合前練習でアドバイス送った海野隆司は本塁打 栗原陵矢復調のきっかけも
◆ソフトバンク21―0楽天(21日、みずほペイペイドーム) 打撃職人がもたらすものは自らのバットによるものだけにとどまらない。ソフトバンクの近藤健介外野手(30)のアドバイスを受けた栗原陵矢、海野隆司が打撃で結果を残した。海野は途中出場で1号ソロを放ち、栗原は2本塁打を含む4安打6打点の大暴れを見せた。 ■まっすぐな視線の先に…【写真】 試合前、守備練習を終えた近藤は海野のもとに向かい声を掛けた。そこから約5分の打撃談議が始まった。海野が素振りすると、近藤は「そうそう」とうなずき、身ぶり手ぶりを交えアドバイスを送った。この関係が始まったのは4月末のことだった。 打撃について海野が近藤へ打撃について意見を求めた。近藤は「(バットの)ヘッドを効かすように、とは伝えた」と明かす。海野はアドバイス通り、高めのスライダーにうまくヘッドを返して左翼ポール直撃の一発。近藤は「少ない打席で結果を出すのはすごい」と海野の努力の成果だとたたえた。 栗原も近藤のアドバイスをもとに復調のきっかけをつかんだ一人だ。1日の楽天戦(みずほペイペイドーム)後のことだった。同戦後の練習で近藤や山川穂高から敵チームだった時に見ていた自らの印象を尋ねた。「栗原ってこういうバッターだったよね、こういう打球飛んでたよね、じゃあ、こういう打ち方をした方がいいんじゃない?」という会話から自らの打撃を思い出させてくれた。逆方向への長打を求めすぎていたばかりに自分を失っていた中で「とにかくバッティング練習は右中間にライナーでぶち込みに行きなさい」と教えをもらった。この日の本塁打2本はいずれも右方向。「久しぶりにライトに高いフライ打てたのはでよかった」と効果を笑顔で振り返った。 近藤は同じく打撃職人だった長谷川勇也R&D担当から多くのアドバイスを受けてきた。次代の選手へ技術を脈々と伝える。打線への〝波及効果〟は確実に大きなものとなっている。(鬼塚淳乃介)
西日本新聞社