「私はやりたいことをやる!」“クロネコヤマト”で話題沸騰となった豪ダンサーが海外の嘲笑に反論「常に弱者だった」【パリ五輪】
深夜列島でも大きな話題となるパフォーマンスだった。現地時間8月9日に行われたパリ五輪の女子ブレイキンに出場したオーストラリア代表のレイチェル・ガン(ダンサー名・Raygun)だ。 【画像】エアコンなしの質素なデザイン? パリ五輪選手村の全容をチェック そもそも競技自体に小さくない注目が注がれていた。DJが即興で流す音楽に合わせてそれぞれがパフォーマンスを披露し、1対1で対決。「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」の5つの要素からなる採点を競うブレイキンは、このパリ大会で初採用となったスポーツとして話題となった。 日本の湯浅亜実(ダンサーネーム・AMI)が金メダルを獲得したブレイキンにあって、出場した全ダンサーが個性を発揮した。その中で日本でも目を引いたのが、ガンのダンスだった。 黄色のラインが入った緑色の帽子をかぶり、緑色のセットアップを着用して登場したガン。無論、母国オーストラリアをイメージした出で立ちだったのだが、日本の運送会社「ヤマト運輸」の配達員たちが着用している制服に酷似。SNSでは「クロネコヤマトの人?」「クロネコヤマトにしか見えなくなってきた」と話題にする人たちが噴出。Xではトレンド入りするほどの活況を呈した。 日本ではポジティブな意見が相次いだガンだったが、海外のファンからは、個性的でもあったダンスパフォーマンスに批判的な声が集中。英紙『Daily Mail』によれば、英国内Xでは「よく深夜のパブで見る」「バカバカしい感じがした」「他と比べると少し残念だ」と嘲笑するようなコメントが散見。さらに「やっぱりブレイキンをスポーツと見られない理由はこれだ」と競技そのものを否定する意見もあったという。 しかし、当人は批判など意に介していない。英紙『The Guardian』の取材に応じた36歳は、「私の動きは全部オリジナルです。私にとって『創造性』が何よりも重要だった。それが見る人たちに伝わることもあれば、伝わらないこともある。でも、私自身はやるべきことをやり遂げたと思っているわ」と強調。そして、「やりたいことをやる。それが芸術や文化においては大事なこと」と胸を張った。 さらに自身のパフォーマンスや表現に対する批判には、鋭い持論を展開している。 「ダイナミックな力強い動きで競っては彼女たちに勝つことは絶対にできなかった。だから自分は違う動きをしたい、芸術的で、創造的でありたいと思ってた。それにこれだけの国際舞台で自分を好きに表現できるチャンスは一生のうちに何回あるか分からないですし、私は常に弱者だったから、違う方法で自分の足跡を残したいと思っただけです」 もちろん誹謗中傷や批評の域を越えたアンチコメントは言語道断だが、どれだけ嘲笑されようとも誇りを持ち続けたガン。彼女のこだわりには脱帽である。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]