子どもの才能が開花しない親の言葉

　子育て世代に寄り添うSNS投稿が注目を集めている教育評論家の親野智可等氏が、親から子どもへの声かけをテーマに執筆した書籍『ちょっとしたひと言が、子どもを伸ばす・傷つける　親の言葉100』（グラフィック社刊）を発売した。親の「イライラ」から出る言葉、「つい」使ってしまう言葉をもとに、子どもへの“伝わり方”を解説した内容で、現役小学校教師時代から40年以上も親と向き合ってきた著者だから生まれた、言葉のメソッドが満載となっている。同書から、他人をもとにした教育方針について解説したポイントを、一部抜粋・編集して紹介する。 【画像】「ぼくはダメな子なの？」と感じた親の言葉 ■他人をだされて教育方針を決められるのは子どもにとっては迷惑でしかない 　「あの有名人はこれやっていたから、やってみよう」という教育方針では子どもの才能は開花しません 。 　「東大生や有名人が子どもころ〇〇を習っていたから、うちもやらせよう」という考えは、我が子を無視した考えです。それを子どもがやりたいかも、向いているかもわからないからです。子どもが嫌々やっても成果はでません。結果的に、時間とお金が無駄になるだけです。 　気の進まないことを嫌々やっていると、親に叱られることが増えます。その結果、親子関係が悪化したり、自己肯定感がさがる可能性が。また、そういうことが多くなると、「自分はダメな子だ」「ママやパパの期待に応えることができないダメな子だ」と、子どものメンタルに悪影響がでます。 　勉強も習い事も子どもを中心に考えてください。将来役立つ、能力が伸びる、親がやらせたいなどではなく、今現在、子ども自身がやりたいこと、好きなこと、楽しくできることを基準にしたほうがいいでしょう。主人公は有名人ではなく我が子。子どもが好きなことなら伸びるのです。 　これも同じです。 ・「東大生はこの習い事をしていたから、通ってみようよ」 ・「〇〇をはじめよう！オリンピックで活躍したあの選手みたいになろうよ！」 ■親野智可等（おやのちから） 教育評論家。本名・杉山桂一。長年の教師経験をもとに、子育て、親子関係、しつけ、勉強法、家庭教育について書籍・ネット・新聞・テレビなどで具体的に提案。最近では、子育て世代に寄り添ったSNS投稿が話題。「ハッとした」「泣けた」など、多くの支持を得ており、全国各地の小・中・高等学校、幼稚園・保育園のPTA、市町村の教育講演会、先生や保育士の研修会でも大人気となっている。著書多数。人気マンガ『ドラゴン桜』（講談社）の指南役でもある。