田中圭“宏樹”のモラハラぶりに恐怖の一方で、回想シーンの姿に「いったいなにがあったの」の声<わたしの宝物>
松本若菜が主演を務めるドラマ「わたしの宝物」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系/FOD・TVerにて配信)。10月17日に放送された第1話では、主人公の夫・宏樹(田中圭)のモラハラが視聴者を騒然とさせた。(以下、ネタバレを含みます) 【写真】見つめ合う美羽(松本若菜)と冬月(深澤辰哉) ■男女3人のもつれあう感情を描く“ひりつく大人の恋愛ドラマ” 本作は、夫以外の男性との子どもを、夫との子と偽って生んで育てる「托卵(たくらん)」を題材にした、ひりつく大人の恋愛ドラマ。大切な宝物を守るために悪女になることを決意した1人の女性とその夫、そして彼女が愛した彼、3人のもつれあう感情を完全オリジナル脚本で描く。 托卵という禁断の選択をする主人公・美羽を松本、美羽の夫で大手商社に勤める優秀な会社員だが家庭では美羽にキツく当たり、モラハラまがいの発言をたびたび浴びせている神崎宏樹を田中圭、美羽の中学生のころの幼なじみで、学生時代からお互いに思いを寄せていた冬月稜を深澤辰哉(Snow Man)が演じる。 ■心が痛くなるほどの宏樹のモラハラ 放送開始から10分の間に、怒涛のように描かれた宏樹のモラハラ。 部下を自宅に連れて来て酒やつまみの用意をさせ、彼らが帰ったあとであまり遅い時間だと近所迷惑になると話すと「文句があるのは美羽だろ」と冷たく突き放し、部下の名前を間違ったと責めた。 別の日、早く帰れるかもという言葉で夕飯を一緒に食べようとしていたら飲んで帰り、「待っててって頼んだ?」と言い、話したかったことを疲れてるようだからと遠慮すると「家でも気ぃ使わなきゃいけないのか」と怒る。その場を和ませようと笑顔になると「笑うなよ!」と不機嫌に。翌朝、話したいことを言うように要求し、子どものことと分かると「自然に任せればいい」と答え、悠長にいられる年齢ではないからと返すと、「悠長にまだ俺の時間使う?」と怒りを含んだ声で告げた。 また別の日、用事があるというのに「状況わかるだろ」と自宅に持ち帰っていた仕事の書類が必要になったからと持ってくるように命じ、慌てて持って行ったらすでに部下に手伝ってもらってあらたに作成済みで「遅いんだよ」、さらに「もうちょっとましな格好できないの」とファッションについても嫌味を付け加えた。 ■悪キャラもハマり役にする田中圭の演技力 2003年の山田孝之主演ドラマ「WATER BOYS」(フジテレビ系)で注目され、俳優キャリア20年を超える田中。近年では一大ブームを巻き起こした主演ドラマ「おっさんずラブ」(2018年、テレビ朝日系)でポンコツなダメ男だけど愛おしい役で視聴者をキュンキュンさせた印象が強い。 もちろん、ドラマに映画に出演作は多数で、そのなかにはクズあるいは悪役も。例えば映画では、時代劇「TAJOMARU」(2009年)での小栗旬演じる主人公を裏切る家臣や「みなさん、さようなら」(2013年)の濱田岳演じる主人公をいじめる極悪ぶり。また、土屋太鳳と共演した映画「哀愁しんでれら」(2021年)では、本作のように妻へのモラハラを。いずれもゾクッとさせる強烈な印象を放っており、本作で視聴者から「嫌いになりそう」とまで言われるほどの高い演技力は備えていた。 一方、その高い演技力で、宏樹が過去や心の中になにか抱えているような憂いも感じさせた。仕事から帰り、自宅マンションの前で部屋を見上げて「はぁ」とため息をつく姿だ。また、美羽の母親の入院費や借金の肩代わりをしたという発言もあった。 そんな宏樹は、結婚当初の回想シーンでは、声のトーンがまったく違った。仕事から泣きながら帰って来た美羽に「どうした?大丈夫?」と心配して自分までつられて泣いてしまう性格だったのだ。 「いったい何があったの?」、そんな声がSNSに並んだ第1話。次第にその謎が明かされていくだろう宏樹からも目が離せない。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部