<挑む・’24センバツ>戦力分析/下 学法石川 自慢の1年バッテリー 主将とGMの下で一丸 /宮城
33年ぶりに春の甲子園への切符をつかんだ学法石川(福島)。福島県大会3位で臨んだ東北大会は試合ごとに成長を見せ、2回戦で聖和学園(宮城)、準々決勝で金足農(秋田)と、各県の第1代表を次々と降した。 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 躍進の原動力となったコンビが二つある。一つは、捕手で4番を打ち、投手も務めた大栄(おおさかえ)利哉と、左腕の投手・佐藤翼の1年生バッテリー。フレッシュな2人を周囲の2年生がバックアップすることで、念願の春の甲子園への切符につながった。 大栄は秋季東北地区大会の全4試合で安打を放ち、捕手としても二塁への送球タイムは1・8秒とプロ並み。その強肩でマウンドでは140キロ台半ばの直球を投げ込む。 佐藤翼はカーブやチェンジアップ、スライダーを投げるが、一番の自慢は直球。130キロ台と目を見張るような球速ではないが、スピンの効いた球の質には自信がある。「打席で見ると思ったよりも速いとよく言われる。甲子園でも強豪の打者陣をびっくりさせたい」と意気込んでいる。 もう一つのコンビは、「縁の下の力持ち」としてチームを支える主将の小宅(おやけ)善叶(よしと)(2年)と、グラウンドマネジャー(GM)の伊藤壱太朗(2年)。 投手の小宅は東北地区大会では登板機会がなかったが、ベンチから仲間に声をかけることでチームを鼓舞し続けた。「うちは善叶のチーム」と選手たちから全幅の信頼を寄せられる。 佐々木順一朗監督(64)が前任の仙台育英時代から導入していたのがGM制度。監督の意図を選手たちに正確に伝え、練習メニューも管理する重要な役割だ。新チーム発足時、2年生の中での話し合いで伊藤が選ばれた。プレーヤーとの両立は難しくなるが、「チームのためになるのなら」と決断。「善叶と二人三脚で、甲子園でも通用するチームを作る」と意気込んでいる。【竹田直人、岩間理紀】